昨日,EIS-Cluster第8回研究交流会があり,出席しました.株式会社iTestの足立明穂(あだち あきほ)先生が「組込み業界では何が起きているのか?〜検証業務から見た業界の課題とチャンス」と題して約2時間,講演をされました.
書きとめた講演メモにも興味深いものが多々あったのですが,この整理は別の機会として,今日は,質疑をあげておくことにします.
- 「検証作業のアウトソース」という検証ビジネスは成り立つか?
- 守秘義務は重要.対策としては,ブラックボックステストで,どこまでを出して(検証業者に見せて)いいかを開発者側が切り分けられればいい.その参考になるような情報を取りまとめ中.社会責任や,プライドを持って仕事をしてもらうといった「教育」も欠かせない.リリース後のバグなど,何かが起きたときの対策としては,契約をきっちり交わしておくだけでなく,保険を取り入れることができないか,検討している.
- 仕様書・設計書がルーズだと,テストが大変では?
- 客先で仕事をすることが多い.ドキュメント化されていない仕様変更は,現場の人から教わる.クライアント/サーバ環境など,自社に持ち帰って検証するのが困難なことも多い.企業によっては,機器をアウトソース先に渡し,がちがちにセキュリティを固めてテストするところもある.
- ハードウェアとソフトウェアで,検証の違いは?
- ハードウェアでは,熱雑音thermal noiseなどの物理的要因を考慮に入れる.ソフトウェアは論理的で,ロジック(プログラム)を一つ作ってコピーすればいいが,ハードウェアでは歩留まりを意識する.検証における「性能・機能」について,ソフトウェアでは分けやすく,ハードウェアでは分けにくい.
- 大卒,専門学校卒,JOBカフェ出身などのバックグラウンドによる,能力の違いは?
- 理系の大卒者は,ノートをまじめに取る印象がある.またレポート・卒論の作成,発表の経験があるのがアドバンテージとなっている.
- バックグラウンドによるプログラミング能力の違いは?
- 人次第.ただし,大学や専門学校の出身者には「言語にこだわる人」がいることも.Javaしか教わっておらず,Cで書けないと言うのではいけない.「基本が分かっている人」は,不慣れな言語でも,本を読みながら書いていく.