- ping, netstat, arp, nfsstat, rcpinfo, spray: ネットワーク状態を知るコマンド,と思います.nfsstat以降は,この本以外で見たことがありません.
- NIS, YP: YPはYellow Pageの略で,商標の問題から「Yellow Page」は使われなくなったけど,yppasswdのようにコマンド名としては残ったのですね.私も大学生のときに,yppasswdを使ったことがありました.NISは,ネットワーク上の複数のUnixマシンでユーザを一元管理するもので,今ならLDAPでしょうか.
- vn, mail: メールを読み書きする基本的なソフトウェア.mailの本文は「.」で終了でした.
- from, biff, mh: メール読み書きを支援するソフトウェア.biffは,開発者の飼い犬Biffくんが,郵便局員が来たときにいつも鳴いたのが語源でしたっけ.
- X Window: 「『X Window』はおかしい.『X Window System』か,『X』と書くべきだ」というツッコミが台頭したのは,90年代中ごろから後半にかけてでしょうか.Xは,X11R5からX11R7までを見ました.Linuxなどには,XFree86.そして今はXorgですね.
- xinit, xhost, DISPLAY: xinitはログイン後にXのためのコマンドを実行するもので,~/.xinitrcに記載するのはほとんどないですが,エラーの原因を教えてくれる~/.xsession-errorsは,今も見ることがあります.Xアプリケーションをどのディスプレイで表示するかを示す環境変数DISPLAYは,今も健在ですね.xhostは…忘れたのでGoogleを見る…ああ,ネットワーク越しでXアプリケーションを実行する際の,サーバのアクセス制御でしたか.そういえば「Xサーバ」と「Xクライアント」が,普通のサーバとクライアントとは逆だったのを思い出しました.
- wm, uwm, twm, mwm: 古きよきウィンドウマネージャ.twmは今もたまに使います.大学院のときにfvwmを使うようになりました.今はGNOMEとKDEが二大勢力です.
- RDBMS, CASE, CAE, DTP, EDP: これらはソフトウェアではなく技術の名前です.RDBMSは関係データベースの管理システム(今ならPostgreSQLやMySQLなど),CASEは上流設計支援ツール,DTPはデスクトップ出版.あとは頭の中を叩いても出てこなかったのでGoogleに頼ると,CAEはComputer Aded Engineering,EDPはElectronic Data Processingの略でした.
- OSF/Motif, OPEN LOOK: ウィンドウの見かけに関する仕様だったか.「motif」と「openlook」という単語は覚えています.
- EUC, SHIFT-JIS, JIS: 日本語文字のエンコーディング.いずれも現役です.それぞれ正式な名称があります.90年代後半からUnicodeが出回りまして,4番目のエンコーディングと言ってもいいのではないでしょうか.その中でもUTF-8は,WindowsでもLinuxでも使われますし.
- kterm, Nemacs: Kanji Terminalと,Nihongo Emacsです.日本語表示をする端末は,rxvtやGNOME端末にその座を奪われました.Emacsも本家が日本語処理を取り込みました.
- vipw: ユーザ情報が記された/etc/passwdを編集するコマンドです.暗号化されたパスワードは/etc/shadowに置かれるようになり,vipwの価値も激減しました.
- fsck, checklist, mount, /etc/fstab: ファイルシステムに関するコマンドです.checklistは不明ですが,それ以外は,Linux文化でも陰に陽にimplicitly and explicitly使われます.
- カーネルの再構築: Linuxの普及で,人によっては…少なくとも私には…手軽に,そして頻繁にするようになったと思います.カーネル再起動のほかに,再起動(リブート)も,おそれ*1を感じることなくやってしまいます.
- グループでの開発: これま今のほうが不可欠でしょう.ただし,みながUnix系OSを使うわけではないのですが.
- ペーパーレス: 印刷せずに,電子データのやりとりだけで業務を執り行うこと.PDFが,電子ドキュメントに関する事実上の標準となり,Word,Excel,PowerPointをメールでやりとりするのが日常となりました.とはいえ,紙の使用量が昔よりも減ったかというと,文書の印刷率が減っても,文書の総数が増えたので,掛け算して,結局のところ,印刷される文書の総数は増えたとみるべきでしょう.
- UNIXシステムからMS-DOSを利用する: UnixからMS-DOSフォーマットのディスクを読み書きするツールとしてmtoolsが普及し,私も,mdirやmcopyなどのコマンドをよく使いました.今は,Windowsでファイルを作って,WinSCPとファイルのドラッグ&ドロップで,Linuxサーバに送信すればOKですね.
本に出ていた用語の回想は,以上です.
*1:どちらかというと「恐れ」ではなく「畏れ」.