わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

2007年7月17日〜20日

その1

文献メモを作って集約するのは,データベースでインデックスを作るようなものです.
文献調査をしたら,その都度,文献メモを作っておきます.それと,冊子の中にある論文は,コピーをとってそれを手元に置いておき,冊子は本棚に戻すなり,借りた人に返すなりしましょう.
あとで自分の研究成果を論文という形で取りまとめるときに,「これに関連する研究は何だっけ…」となったら,文献メモを見ます.それで最適なのが見つかって,文献メモの情報だけで,自分の文章の中に引用できるのなら,抜き書きすればいいのです.文献メモだけで不十分なら,コピーしたものを見直しましょう.文献メモを他の人が書いたのなら,書いた人に問い合わせて,コピーしたのを借りましょう.
この文献メモを探す作業が,インデックスの検索です.論文そのものを見直すのは,レコードの取り出しです.そんな文献データベースを,研究室内で充実させていきましょう.

その2

設計は,図を描いて終わりというのではなく,その後も変わり得るものでなければならないと考えています.そういうのに適した…言ってみれば動的な変化を許すような設計図の作成支援で,面白いのができないかと模索しているところです.

その3*1

人の持つ知識や能力を,「樹」にたとえることができます.
樹は,大きく三つの要素から成ります.葉・幹・根です.
葉は,知識,特に今必要な情報や知識を指します.英語ではdomain-specific knowledgeといいます.試験ではたいてい,ここが問われます.ところで,葉は毎年変わりますね.知識も,その時に必要なもののみが付くものです.
幹は,思考力,判断力,表現力などに当たります.試験で直接問われることはないにしても,何を問われていてどう書けばいい(より良い点数をもらえる)のかというのは,ここに大きく依存しています.葉と違って,幹はたいていは減ることなく,増える方向のみです.幹は,葉に隠れたりはしますが,答案やコミュニケーションを通じて,幹の大きさや枝ぶりが推定できるというにも,注意しないといけませんね.工学の分野では,幹に相当する能力はdesign ability,「デザイン能力」と呼ばれます.
最後に根ですが,根は土の下にあって,掘り起こさない限り,見られることはありません.根は幹を支えるものであり,思考とか表現とかをする前の「態度」に相当します.好きなものに触れるときと,嫌いなものが近づくときによって態度が変わるというやつです.これに対応する英語は,mindsetだと思います.幹と同じく,大きく変わることはありません.
ここで樹の全体に戻りましょう.葉と幹と根は,どれか一つを大きくするというわけにいきません.すべてが同じように充実していきます.これからの授業,大学の内外の経験,様々な人間関係を通じて,みなさんそれぞれの「樹」が充実していくことを祈っています*2

*1:元ネタは『学力を育てる (岩波新書 新赤版 (978))』です.英語表現の選択は,私のオリジナルです.

*2:元ネタにある,「樹は一本よりもむしろ,多くの樹と隣接して,ともに成長していく」を伝えるのを忘れた…….