修士論文発表会で,スライドを見ていく中で,スライドタイトルが「研究背景」や「研究目的」になっているものをいくつか見かけました.
私の受け持ち学生がこう書いていたら,間違いなく私は,「研究の背景」と「本研究の目的」と赤入れします.
ただ,何人も「の」抜きで書いていたら,これはそういうものかと思うようになってきます.
これだけだったら日記で取り上げることもないのですが,まったく同じ日に,興味深いメールに出くわしました.
Ruby の仕様の中に、なんらかの形で、 形式手法を盛り込むことは可能なのでしょうか? 知識がないので、断言できませんが、Rubyそのものは形式的手法と
http://mlog.euqset.org/archives/ruby-list/44669.html
はなじまないような気がします。
質問者は「形式手法」,それに対してMatzさんは「形式的手法」と書いています.
私自身は前の大学で,助手1年目で自分の研究テーマとなるキーワードを3つ挙げよと依頼があったときに,3番目に少し悩んで,結局,「形式的手法」と答えたのでした.
どんな研究だったかというと,暗号プロトコルの仕様やセキュリティ目標*1を形式的仕様として記述し,そこからは推論によって,目標を達成できるか否かを示すための枠組み作りをしていました.
その後はそういうテーマから離れましたが,「形式的」とか「仕様記述」とかいった記事や書籍があれば,興味を持って読むことがあります.そして最近よく,「形式手法」という表現を見るようになっていました.
そんなときに,『知識がないので、断言できませんが、Rubyそのものは形式的手法とはなじまないような気がします。』を見つけ…Matzさんの昔気質*2を感じることができました.