わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

私のところの公開授業

はじめにおことわり:「大学教育」というタグをつけていますが,本日のエントリは,受講する学生向けではなく,大学教員向けの情報です.

今、うちの学校でも、FDとやらが盛んになってきました。要は、教員の教育能力向上です。

そのために、相互授業参観とかピア・レビュー(こないだの会議で初めて耳にした単語でした)とか、いろんな取り組みが行われようとしております。

それに対し、うちの先生方は、断固反対。そういう取り組みを潰すべく、一致団結して闘う。こないだの会議で、そんな風に決められました。

う〜ん……

いや、正直な話、なにが、そんなに、彼らをかたくなにさせるのか、わかんないんですよ。

聖職、聖域 - DeSeanの日記 旦⊂(´-` )お茶ドゾー

本学ではかなり前から,FD (faculty development)や,最近ではその発展形としてUD (university development)の活動を行っており,とりわけ「公開授業」については,年10科目程度,教員参観可能な授業を設けています.
科目担当者が公開授業の日を決め,告知され,関心のある人が見に行きます.公開授業終了後は,検討会を実施してディスカッションします.授業の配布資料や検討会の発言メモなどは冊子として発行されます.
公開授業をする科目は,各学部のFD委員会の主導で,比較的すんなり決まります.公開授業に出席する教員は,FD委員と,実施学科で関心のある教員を中心として,毎回数名です.
授業というのも,いわゆる座学だけでなく,演習室によるものや,少人数ゼミという形態もありました.
と,ここまで,本学における公開授業実施の,比較的よいところを紹介してきました.よろしくないところは,今のところそれを書くのを躊躇しております.
上の引用について,何も感想を書いていないや…「相互授業参観」や「ピア・レビュー」を進める人々も,ためらう人々も,断固反対する人々も,その気持ちはある程度理解できますし,レポート課題で模範解答を書くかのように,その理由をリストアップすることも,できそうです.
個人的には,「技術は,作れば(売れれば)それでいいというものではなく,提案・公開をして中長期的な技術的批判に耐え,それでも残ったものが,よい技術である」という信念を持ち,またそれを授業の中で学生にも教えています.大学の授業にも,この意味の技術が多分に含まれていますので,そういった点で,「相互授業参観」や「ピア・レビュー」には賛成の立場です.
ただし,特段の準備もなく,学長やFD委員会のトップダウンで実施すると,参加する教員は少数になることが目に見えているので,特定教員ではなく大学教員組織の教育能力向上のためにどうすればよいかをよく検討してから実施すべきだとは思っております.

実際、数年前、相互授業参観の委員になったことがあるのですが、まあ見事にみなさんに断られ続け、結局(本来は委員はセッティングが仕事なんですが)自分のでやった、そんなこともありました。

私の公開授業経験談を書いておきます.某年度の10月に講師に昇任することになり,7月末に学科長に呼び出されました.ある先生が今年度から3科目を受け持ち,後期に2科目あって大変なので,そのうちの1科目をやってほしいと.ということで,「情報処理II」という科目を担当することになりました.
さらに,10月の授業実施の直前に,その年度では,各学科の「情報処理II」の公開授業をするということを知りまして,びっくり半分,緊張半分でした.
公開授業の実施日は自分で決めてよかったので,12月の上旬に入れました.あらかじめ,2科目の公開授業と検討会に参加しました.過去の年度にも,FD委員の先生から参加依頼を受け,参加したことはありましたが,自分なりに緊張度が違っていました.
さて自分の番です.テーマは,関数の再帰呼び出しです.座学で,PowerPointを中心とした説明スタイルですが,プログラムの動作確認は,VMwareを出してその中で動かします.
検討会では,厳しい意見が相次ぎました.まず技術的には,プログラミングにおける文法と用法と事例がごっちゃになっていたこと.ツールについて,makeでコンパイルしていたが,Makefileも説明しているのか.そして授業の進め方では,遅刻と睡眠に対して何も言わなかったことの指摘がありました.自分で経験する限りでも,もっとも辛辣な意見が多かった検討会でしたが,授業担当1年目ということを知った,公開授業とりまとめの先生から,励ましの言葉をいただき,一応円満に,検討会を終えることができました.
勉強にはなったけれど…自分のスタイルで何年も授業を行っていて,「今年はあなたの科目を参観し,レビューします.ご準備ください」と言われて喜んで引き受ける教員はいないだろうなあとも思います.