昨日,自分の授業・試験・成績評価のスタイルと比較せざるを得ない記事を,2つ別々に見つけました.
http://diamond.jp/series/hoda_news/10008/
授業の特徴を抜き出しますと,
- 授業内容を事前にレジュメに全部記載
- 授業中に「例題」を解く
- 試験1週間前に「擬似テスト」を行う
- 試験直後に「模範解答」を配布
自分の科目では,
- 授業実施日の朝に,授業スライドのPDFファイルをWeb公開しています.授業中には配りません.これは,授業ではスクリーン(とホワイトボードへの板書)に注力し,ノートへの書き込みは,後で授業の流れを思い出すために必要なものに限ってほしいためです.予習不要,授業をしっかり聞き,復習に力を入れてほしいということを,初回の授業で指示しています.
- 情報セキュリティの科目で,理解してほしいアルゴリズムが2つあります.授業では5回目あたりにそのアルゴリズムを紹介し,計算問題をホワイトボードで解きます.授業前日に解いておき,当日はそのメモを見ずに解きますが,それでも計算ミスをすることがあり,デバッグも授業のうちとしています*1.
- 擬似テストについては省略.
- 解答を回収してすぐ,模範解答を配るというのは,授業実施者として抵抗があります.模範解答を作って印刷するのは,試験より前ですから,どこかで漏洩が起こる危険性を考えずにいられません.それと,学生のほうが,こちらの用意している答案よりもいいということがよくあります.ということで私の場合,解答と解説を作るのは,試験が終わってからです.速報版を出して,学生の良い答案を見つけ,典型的な不正解を整理した上で,改訂版を上げています.Web公開です*2.
板書は時間の無駄じゃない
先に本題でないところに突っ込んでおきますが,「大学の授業」「高校の授業」「情報提供型テレビ番組」は,視聴する時間だけでなく,そこで学んだことの評価や利用の仕方が異なるので,単純に併記して比べるわけにはいきません.そして,「情報の与え方」はどうあるべきかは,提供者が考えるべきで,他の情報提供方法や利用可能なツールとコンテンツ*3を参考にしながら,常に自己研鑽と改善に努めないといけないものですね.
ともあれ授業について.私の授業はPowerPoint (スライドショー方式)を中心にしています.ホワイトボードを使うのは,次のケースです.
- スライドになく,口頭で不十分なものを書くとき
- 計算問題の解き方や,何らかの状態*4の「変化」を書くとき
前者は,理由をいくつか思い浮かべたものの,すべて「準備不足」と言い切れてしまいそうです.
後者は,スライドに入れて,アニメーションで表示することはできますが,それをPDFにしてしまうと「変化」が消えてしまいます.状態を変えるときの一つ一つをスライドにしたりもしてみましたが,値を変えた他の問題に適用すると,スライドを作り直しとなるのが痛いです*5.