わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

死と生を伝える漫画とテレビゲーム

火の鳥鳳凰編「ミジンコ」

手塚治虫の名作,火の鳥には,死と,それを乗り越えて生きていく人々や生命体が数多く描かれていますが,代表的なのは,火の鳥鳳凰編の中盤,茜丸正倉院鳳凰の絵を見てから,船でその鳳凰がいると言われている蓬莱島へ行こうとするシーンではないかと思います.
茜丸が嵐に飲まれると,ミジンコとして生まれ変わります.神のようなものと対話したり,「人間のままに生きのびたい!」とか言ったりできる特殊なミジンコですが,魚にひと飲みされて,おしまいです.その最期のコマは,直視できない人がいるかもしれません.
そんなこんなで,いくつか生まれ変わりを経て,蓬莱島のそばで鳥として生まれ,鳳凰の舞う姿を目にしてから,茜丸は目が覚めます.夢オチでした.

ドラゴンクエスト5「石像」

ドラゴンクエスト5(DQ5)は,主人公の父パパス,主人公,主人公の息子=勇者の3代にわたる冒険として有名ですが,プレイして,いちばん印象に残っているのが,青年時代の途中に*1発生する石化イベントです.
そのシーンに至るまでを簡単に紹介すると,男女の双子が生まれ,主人公の即位式の夜,飲み食い騒いでいる間に妻を怪物に奪われ(双子はおつきの人が隠していて無事),主人公が塔で妻を見つけたものの,夫婦ともども石化されてしまいます.その塔に来た者がその石像を持ち帰り,主人公はセリで落札され,守り神として,ある家に運ばれてきます.
見どころは,その家の子供が立ち上がって,父(家の主)に向かってよちよち歩きをする一幕.
主人公は石化しているので*2,その様子を見ることができないのですが,このシーンにより,主人公にとっては,我が子の這う姿,歩きだす姿をふくめて,石化解除までの10年の成長を目にすることができないことが凝縮されているのです.
その後は,家の子供が石化した主人公の周りで遊べるくらいまで成長したときに,ホークマンがその子を連れ去ってしまいまして,家の主は悲しみそして激しく怒り,石造を足蹴にします.さらに年月が流れて,サンチョと主人公の双子がその家を訪れ,ストロスの杖で石化を解除して,みなでグランバニアの城に戻り,そして青年時代後半の冒険が始まります.

ところで,自分の人生にとっての一大イベントが控えているのです

この日記では初めての公表となりますが,10月に第一子が産まれる予定です.
子育ては大変だという声も聞きますし,その一方で,子供が日々成長する姿が楽しみというWeb上の日記や掲示板も多数目にします.そういえば,万葉集には「しろがねも くがねもたまも なにせむに まされるたから こにしかめやも」という歌もありました.
これまで両親学級に足を運んだり,名前をつけるための漢字辞典に目を通したりしているものの,正直言って,まだ実感がわきません.
なので,我が子が産まれてからの生活よりも,十分に成長し,分別のついたときに,何をしてやれるかを考えました…フィクションでありまた「神の視点」である,鳳凰編とDQ5の各シーンですが,そして子供に直接見せることになるかどうかも分かりませんが,生をつなぐものは何かということで,また振り返りたいと思っています.

*1:攻略ではよく,「青年時代前半」と「青年時代後半」の間に位置づけられます.

*2:もし石化していても目が見えると仮定しても,後ろでなされているので,見えません.