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進学か就職か,鐘を鳴らすのはあなた

研究室の4年生のみなさんと,あるいは当研究室の配属をほんの少しでも検討している3年生のみなさんへ.
進学か就職かについて,私の考えをまとめてみました.

進学か就職か,決めるのはあなた自身です

こちらから,「就職したほうがいいよ」「進学しなさい」とは言いません.
研究室配属の面接で,就職・進学のいずれを希望するかを聞きますが,この質問は,定員より希望者が多いときであっても,選抜の理由にすることはありません.
配属後,こちらは,全員が修士まで行くことも,全員が学部で終えることも想定して,研究計画を考えています.
とはいえ実際のところ,自分で配属や学生指導の責任を負うようになってからは,3年生4人,卒研生3〜4人*1,M1は1人,M2も1人というペースになっています.
3年後期・4年前期に学ぶことや研究室での人間関係で,進学希望になったり,逆に就職すると決意したり,というのがあっていいと思います.
学内外の説明会を聞きながら,進学するほうがよさそうだと思ったら就職活動はまた2年後からというのも,悪くありません.
3年後期のゼミのときにも,進学か就職かはちょくちょく聞くので,その都度,答えを考えながら,方針を固めましょう.配属直後から「就職です」でも「進学です」と決めていてもいいし,「就職が60%くらい」と,傾いている方にパーセンテージを添えて答えるのも,いいでしょう.
なお,就職活動をしていけれど,内定が取れないなどの理由で,進学に切り替えるケースは,それなりにあります.とはいえ,内定(内々定)をもらった後で,それを蹴って進学に切り替えたというケースは,研究室内では目にしていません.

今と2年後を秤にかけよう

学部でも修士でも,就職活動をすることになります.なので,就職か進学かではなく,

  • 今,自分が働きたい職種・企業で採用してくれる

か,と

  • 2年後,自分が働きたい職種・企業で採用してくれる

か,を秤にかけて,どちらにするか,決めるのはどうでしょうか.
もちろん,前者を選択することは「就職」を,後者なら「進学」を意味します.
なお,「2年後,自分が働きたい職種・企業」を「今」考えなければなりません.書き直すと,「2年後に,自分が働きたいと考える職種・企業」は,「今,2年後に働きたいと考える職種・企業」と同じであるとは限らない,そういう不確実性のもとで,秤にかけるということです.

関連

考えることになったきっかけは,以下の記事です.

山本容疑者と同じ時期に高窪さんの研究室に所属した20歳代の男性も読売新聞の取材に応じ、高窪さんが、山本容疑者の消極的な性格を心配して就職を勧めた経緯などを証言した。当時、高窪さんは、山本容疑者について「人前で研究を発表することが多い大学院では苦労するのではないか」などと語り、山本容疑者から進学か就職かを決める相談を受けた際には、最終的に就職を選ぶよう助言したという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090527-OYT1T00116.htm

Yahoo!ニュース(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090527-00000116-yom-soci)のほうが,はてブの数は多いですね.
この記事自体の感想は,「マスコミ受けしそうな『エピソード』であり,真の動機には(ほど遠い,ではないにしても)ちと遠いかな」といったところです.

書きながら,「職種か,業種か」で少し迷い,検索してみました.それらの違いは,http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011033505 のベストアンサーや,http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011354350 のkk023977さんの回答が明快です.

1年ほど前に,進学か就職か,1か月で決める方法というのを書いています.合わせてどうぞ.

*1:残念ながら,卒研着手条件に満たない単位数の学生がいたりします.