わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

文献調査時の不安を取り除く

「先生,相談なんですけど…」
 「はい何でしょう」
「文献調査をしなさいということで,やっているのですが…」
 「いいの見つかった?」
「いくつかは.ただですね,もし,自分がやっているのと同じような論文が見つかったら,どうすればいいのかと」
 「うーん,方向性として,外でやってるのとおんなじというか,後追いとなるような研究テーマは,選ばないようにしているんですけどね」
「はあ…」
 「あるいは,一見同じ方向性を持つ論文が見つかったときは,これまでに何度も言っていますが,『何を対象として』『何を使って』『何をしたか』に注目することです」
「それがもし一致していたら…?」
 「万一,一致していたら,成果を見ます.特に定量的な成果です.再現率だとか適合率だとか.あと,成果の前の,評価実験の対象や件数も,見ておく必要がありますね」
「なるほど…」
 「ごちゃごちゃ言いましたが,方向性の近いのを見つけて,1件1件読み込んでいく.ということです.スタディに王道なしです」
「…そういえば先ほど,『後追い』とおっしゃいましたが,そういう,同じような研究は,ないほうがいいんですよね?」
 「いやいや,そんなことはないよ.先行事例が見つかったら,自分の成果の中に堂々と引用すればいいんだし,口頭発表後の質疑で,『だれだれがすでに発表していますが』と言われるリスクを減らせるのですから」
「あともう一つ,教えてください.先生が文献調査をされたときに,先を越されていて悔しいとか,自分ならこう書くのに,とかあったりするんですか?」
 「先を越されていて,ってのはないですね.幸か不幸かは分かりませんが.それと,『自分ならこう』も,ないなあ.舌足らずかなというのは見かけますが,それは,論文誌や予稿集の位置付けだとか,ページ数の都合にもよりますんでね.あと,構成は,それぞれの著者のスタイルってもんですから*1,あの人はああだ,自分はこうだでいいと思いますよ」

*1:一例を挙げると,関連研究をどこで書くかです.章・節を立てないか,イントロの次に書くか,ラス前に書くかです.個人的にはいずれのスタイルも(もちろん別々の文書で)使ったことがあります.リクエストがあれば,使い分けを当日記上で提示したいと思います.