わさっきhb

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Work in a comprehensive and systematic manner

このエントリは,ある学生への返信メールをもとにしています.その中で書いた「包括的かつシステマティックな」というフレーズが気になり,愛用の英辞郎で「comprehensive and systematic」を引いてみたところ,先頭一致が1件ありまして,「comprehensive and systematic advancement of 〜の総合的かつ計画的な推進」でした.またSPACE ALCで引くと,部分一致で何例か出ました.タイトルは,その結果の一つにちなんでいます.
では本文をどうぞ.
メール見ました.前回のミーティングまでに考えた案を少し進めてみたところ,問題が発覚したので,他のソフトウェアに置き換える,という流れについて,決して反対ではありませんが,それをすると,また別の問題が出てきそうです.具体的にはほげほげというキーワードで調べてほしいのですが(略)
ここで,全体的な視点というのがあっていいと思います.すなわち,一つのソフトウェアを変更するかどうかという議論よりも,包括的かつシステマティックな,実施計画を考えてみてください.

考え方のヒントを書いておきます.

  • 最終的に,何ができる状態になればよいか?
    • 必ずしなければならないことは,何か?
    • 可能なら実現したいことは,何か?
  • したいこと・すべきことを「ゴール」「サブゴール」に切り分けられるか? それらの間にどのような関係があるか?
    • 順序関係(Aが達成できてはじめてBに取りかかれる)か?
    • AND(すべてが達成できなければならない)か?
    • OR(一つでも達成できればよい*1)か?
  • そのゴールやサブゴールを達成するために,何を使用して,何をすればよいか?
    • ここは複数挙げること.
  • 利用する状況や,導入・実現のコストをもとに,どの手段を採用すればよいか?

一人で考える段階では,とにかくたくさん案を出し,メモか,テキストファイルに残してください.そしてこちらへの報告や,小ゼミ,卒論では,取捨選択しながら,整理した形で提示していきます.後になるほど情報量が少なく,内容が洗練されていくようにしましょう.
それと,ゴールやサブゴール,言い換えると「目標」「目的」を考える際には,主語を明示する習慣をつけましょう.それにより,誰の問題なのか,誰を幸福にするのかを,常に確認することになります.自分自身や研究室や,関連分野の研究者を主語に置いたって,いいと思います.
その一方で,手段については,どうしても必要な場合を除いて,なるべく主語を書かないでみてください.それは再現性,つまりその手順でやれば誰でもできることを,計画段階から意識するということです.もちろん,誰でもできることと,誰でもできることを提案することは,別です.コロンブスの卵*2というやつです.

*1:一つが達成できるのなら,他は検討しなくてよい,という意味でもあります.

*2:http://homepage3.nifty.com/takakis2/columbus.htm.ふーん.