「おまえ…何やこれ?」
「あそれねえ,うちの子用のケータイやねん」
「はあ」
「西松屋でな,99円で売ってたんやで!」
「ふうん.サービスエリアなんかで,500円くらいで売ってそうななあ…」
「安いやろ!」
「いやなんでこれなん?」
「あのさあ,この子,テレビやエアコンの,リモコンのボタン,触ってるやんか」
「せやなあ.んで,チャンネル変わったり,スイッチ切ったりしよるなあ」
「そういうの,触るのが好きな時期やねんて」
「んでこのおもちゃケータイを触らせよう,と?」
「そう」
「ふむふむ…ボタンは押せるが,音は鳴らんのか」
「鳴るで」
「え? …あ,電池を入れるとこ,あるなあ.LR44かいな」
「電池,ある?」
「手元にはないが…この電池やったら,ま,百均で売ってるやろ」
「そんなに高いん?」
「いや,LR44やったら,2個で100円ちゃうかな」
「あなた今,『五百円(ごひゃっけん)で売ってるやろ』って言わんかった!?」