「今日な,ご近所さんがいらして」
「ふん」
「うちの子よりも1か月早い子も,来ててん」
「へえ」
「あの子,歩いてるでえ」
「11か月やろ…えらい早よないか?」
「いや,あれを見たうちの子も,これから一歩,一歩と歩いて,1か月後にはとことこいきそうやなあ」
「まあまあ」
「けど階段を昇るのは,うちの子やな.あの子,でけへんかった」
「それは脚力や腕力というよりも,家の階段を知ってるか知らんかの差やないかな」
「せやねん.それでな…」
「ふむ」
「この子が自在に歩けるようになったら…トランポリンさせるの,どうやろ?」
「なんやそれ」
「全身運動になるし,体のバランスを保つのにええんやて!」
「体のバランスいうたら,スポーツドリンクとかサプリメントとか,想像してまうなあ」
「ちゃうで,運動やで」
「…お前もやりたいんか?」
「うん.で近所にそんな,スポーツジムか,それか家でできるトランポリンって買えやんかなあ?」
「……」
「……」
(腹を叩く)
「いや,あなたのお腹はぽよんぽよんしてるけど,それで遊ばすのは無理」