わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

学生に自信を与えたい

昨日は,3年配属の面接,Cプログラミングの初回講義,大学院のゼミの後期初回があり,なんとか乗り切りました.講義は別の機会に書くとして,残りの2件について.
大学院のゼミでは,3人の発表者のうち2人に質問をしました.他の先生の質問を聞きながら,思うのは,今回の発表(準備を含む),そして質疑を通して,学生が「ああ,そこが欠けていたのか.よし,がんばろう」と,やる気を持てたかどうかです.
夏休みが明け,久しぶりの大学院のゼミだったわけですが,学生との対話で,私の質問スタイルを再確認することができました.
発表スライドの何気ない表現,あるいは(他の先生との)質疑で出てくる言葉に,違和感を持つことから始まります.次に,発表の時間が限られていることから,ある部分でもっと言いたいけれどそれを抑制しているのではないかと考えます.
「言葉への違和感」と「抑制しているもの」が,幸いにも自分の頭の中でくっつけば,質問を組み立てます.そして静寂のときを狙って,「はい」と手を挙げます.
言い換えると,学生のやったことを引き出すという指導スタイルです.
とはいえ,このやり方ばかりだと,学生の実施したことに気を取られがちになります.それでは「高みに登る」ことができません*1.より高度で洗練された世界を提示し導く教員の存在が,不可欠です.学生が進もうとしている道(選択する手法)が技術的に成功しそうになく,学術的にも発展する見込みがない*2のが見てとれるときには,筋の悪さそのナンセンスさを指摘する厳しさも,重要となるでしょう.
私との質疑では,たいてい学生は,こちらを向いて質問を聞き,回答をしてくれました.逆に,厳しめのコメントを出す先生に対しては,伏し目がちでした.誰が良いとか悪いとかではなく,各教員の経験をもとに発した質問・コメントですので,研究内容を充実させ,最終的な修士論文発表会で自信を持ってプレゼンテーションできるようになってほしいものです.
話を少しさかのぼりまして,朝の3年生への面接について.定員3に対してちょうど3人の希望となりましたので,昨年と同じく,基本的に全員受け入れです.面接は,選抜のためではなく,これから研究室活動をやっていくためのアドバイスに,時間をとりました.
一つの目標は,1年半で卒業することです.研究室に配属されるのは研究するため,となると,卒業研究を円滑に進めるための,知識・技能の習得や,指導教員とのコミュニケーションのとり方も,必要といえば必要ですが,このセメスターに学んでもらうとしましょう.総単位数に不安がある学生は,ゼミも授業も大事となります.きちんと単位を取れれば,新年度になって,卒業研究が履修でき,留年せずに卒業できることを示し,励ましました.
1年ゼミのころから顔なじみの学生は別として*3,残り2人の学生は,不安な面持ちで部屋に入ってきましたが,面談が終わり,礼をして私の個室を出るときには,晴れ晴れとした顔になっていたように,感じました.

*1:関連:wikipedia:カーゴ・カルトの「カーゴ・カルト・サイエンス」.

*2:目的と手段のミスマッチが,その典型です.

*3:2年前は1人,昨年度は2人,そして今年度も1人.1年ゼミ=基礎教養セミナーで受け持った学生が,当研究室を志望し,受け入れた数です.