- 作者: 竹内薫,嵯峨野功一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/03/14
- メディア: 新書
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目次より,文系バカと理系バカをリスティング:
- 文系バカ1 血液型診断や占いが気になって仕方ない
- 文系バカ2 取扱説明書は困った時にしか読まない
- 文系バカ3 たいていのことは「話せば分かる」と信じている
- 文系バカ4 ダイエットのために「カロリーゼロ」のドリンクをガブ飲みしてしまう
- 文系バカ5 アミノ酸,カルニチン,タウリンなどのカタカナ表記にすぐ飛びつく
- 文系バカ6 「社会に出ると因数分解なんて必要ないよね」と言ったことがある
- 文系バカ7 「インド式算数」を学ぶより,電卓を使えばいいと思っている
- 文系バカ8 何でも平均値で物事を判断してしまう
- 文系バカ9 抗菌コートのトイレじゃないと入りたくない
- 文系バカ10 物理学と聞いただけで「難しくて分からない」と思ってしまう
ただ,帯の『文系バカ:教科書どおりの答えを求める』と『理系バカ:何でもネット検索で済ませる』は,すでにある答えを見つける,そして見つけたら満足するという点で同根であり,文系バカ・理系バカの例としては良くないようにも思えます.
理系バカの独善性の例(pp.78-86)は,耳が痛い内容です.サイエンスライターや科学コミュニケーター(pp.159-162)は,自分の研究分野を深めていくことに限界を感じたときに,考えてみるべきなのかもしれません*1.
文系と理系の違いをチェックする問いというのを,どこかで聞いたことがあります.おぼろげな知識のまま,読み進めていくと…ありました.
イギリス人作家のC・P・スノーが,1959年に行った「二つの文化と科学革命」という有名な講演がある.(略)そのときに出てきたセリフが「君はシェイクスピアの作品を読んだことがありますか?」という質問.この質問に対し,いわゆる文系人間とされる人たちは,当然,何冊か読んでいる.しかし,理系人間といわれる人たちはあまり読んでいない.続いてスノーは「あなたは加速度とは何かを説明できますか?」と質問した.当然,理系人間たちは,それを正確に説明できる.しかし,文系人間には説明ができないのだ.
(略)イギリス人作家のC・P・スノーの講演会からおよそ50年,日本ではこの断絶がいまだに続いているのではないだろうか?
(p.129-130)
現代日本なら,加速度はそのままで,シェイクスピアは司馬遼太郎に置き換えるといいのでしょうか….
*1:しかし自分の今の知識は,狭く浅いことを,ひしひしと感じています.