突貫共著 - わさっきの続きです.採択の通知が届きまして,カメラレディ原稿は郵送で水曜必着.なので火曜の朝までに,仕上げました.
アブストの書き方
本文を一通り書いたら,最後の段階で作るのが,概要です.内容梗概とも言います.英語ではabstractですが,アブストとも呼ばれます.
「日本語のみ」「英語のみ」「和英両方」と,要求されるのは発表に応じてさまざまですが,ともあれまずは日本語版を作り,英語版が必要なら逐語訳をしましょう.
日本語の概要を作る際,私は,以下の問い一つ一つに対して文を作ります.
- 何を発表するのか
- これまで何がなされていて,どんな問題がある(何が解決されていない)か
- 今回の発表の,手段・手法としての特色は何か
- どんな方法で評価し,結果はどうなったか.数量はどうか
- この研究成果が,どんなことに役立つのか
その後,字数に合わせて取捨選択しています.
英語化する際には,「何を発表するのか」をどこに置くべきか,注意します.自分の読み書きする限り,次のいずれかです.
- 先頭に書き,「(修飾語句を含む長い主語) is proposed.」などのように受身形にする.
- 問題点を説明したところで,「In this paper, we ...」と書く.
どちらのほうがいいかという基準だとか,使い分けだとかは特にありませんが,「In this paper」のほうが無難かと思います.
日本語で,「文頭あるいは文末を同じにして,文を連続する」というのは,文章が単調になりがちなので避けます.英語では,文末が同じになることは滅多にありませんが,主語が(文頭でなくても)weばかりというのは,同様の気まずさがあるので,擬人法や受動態を適度に取り入れましょう.
ラス前のチェックポイント
最終版をfinalと言います.その一歩手前は,pre-finalと書くようですが,あいにく手元の辞書にはありません.麻雀で最終局を俗に「オーラス」*1,その一つ前を「ラス前」と言います.ラス前あたりからどの対局者も「仕上げ」にかかります.論文作成でも,ラス前の段階ですべきチェック事項があります.
全体を流し読みして,以下の点を確認しましょう.
- 節番号,小節番号は正しく振られているか
- 図番号,表番号は連番で正しく振られているか
- 参考文献の文献番号は連番で正しく振られているか
- 本文中の節や小節の参照は,正しい(番号が合っている)か
- 本文中の図表番号の参照は,正しい(番号が合っている)か
- 本文中の文献の引用は,正しい(番号が合っている)か
- 数値について,記載ミスや計算ミスなど,おかしな点はないか
- フォントサイズに不統一はないか
- 明朝体であるべきところを,ゴシック体にしていないか
- 著者名や所属が間違っていないか
慣れると,WordやAdobe Readerなど,スクリーン上でできますが,フォント関連は見落としがちです.印刷して,節番号,図番号,表番号,文献番号を別々の色のマーカーで塗りつぶすくらいの手間をかけて,いいと思います.
*1:all lastの略? しかしこれも辞書にはないなあ….