わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

二者択一のための二つの発想法

何か物事を進めるにあたり,一見,甲乙付けがたい二つのものから,一つを選ぶことが必要になったときに,次の二つのやり方を使ってみてください.

身内には,減点法

まず,研究室の教員-学生の間だとか,親しい同僚の中でだとかいったときに,一つを決めるには,減点法です.
案Aと案Bがあったとして,それぞれの案を採用したときに発生すると思われるデメリットを,できるだけたくさん書いていくのです.
選定理由をちょっと*1見てもらい,承認をもらうのが目的なわけですから,そうしてもらいやすいよう,メールに書くのがいいでしょう.
急がないとしても,「下書き(ドラフト,draft)」に残しておき,思い出したら開いて書き足せばいいのです*2
メールで送る直前,つまり取りまとめのときには,デメリットによる影響の大きいものから順に並べましょう.項目を三つくらいに絞り込みたいものです.

外部には,加点法

ゼミだとか卒研発表会だとか,また学会の口頭発表なんかでも,「当然考えられる案Bではなく,案Aを採用したのはなぜか? 確かに案Bのデメリットは明白だけど,案Aにだって見過ごせない課題があるぞ」という疑問が出ることに配慮して,選定の理由を言えるようにしないといけませんね.
こういうときは,プレゼンですから,表を作って見せればいいのです.
表の各行は評価項目です.何ができるかとか,費用だとか利用のしやすさだとかが挙がります.列数は三つで,左端は評価項目の名前*3,後の二列は,採用する案と対案の名称です.
当然のことですが,採用している/しようとする案のほうが,○が多くつくような評価項目を選びます.
記号は,○と×のほかに,△や,◎というのを使うのも,いいでしょう.
ところで,Webでよく見る性能比較表で,十行も二十行もあって,●とか−とかいった記号だけを並べるものをよく見かけますが,あれは資料としての一覧表示の方法ですので,マネをしてはいけません*4
プレゼン用では,スペースも見てもらう時間も限られていますから,まず,説得力のある評価項目を三つか四つ,選びます.そして記号を配置します.○や×の記号だけで分かってもらえるものは,それでいいのですが,根拠だとか補足説明だとかをしたければ,記号と同じマスの中,記号のすぐ下に,小さめのフォントでそれを書けばいいのです.
大きく「×」と書いて,下に「ただしナニナニをすれば○」という書き方で,課題を認識していて,解消は可能であることを示す*5のも,資料の表ではできない便利なテクニックです.

*1:承認をもらいたい側もする側も,あまり時間はかけたくないわけですから,案Aのデメリットだけあれば,わざわざ案Bのメリットを明示しなくても,推測できるのです.そうそう,二つの案に共通するデメリットというのは,書かないか,どうしても深刻な場合には,二つの案を比較しているところと別に,書くことになります.

*2:下書きを間違って送信してしまうという不安があれば,送ると決めるまで,宛先情報を本文に移動しておきましょう.

*3:表の左上隅のマスは,何も書かないのが,現在の主流です.昔はそこに,左上から右下に斜線を引いて,左下三角形に「評価項目」,右上三角形に「案の名称」か何かを書いていたものですけどね.それと,ここで説明した表の描き方はプレゼン用の簡便な描き方であり,論文などでの表の描き方はまた別にあります.

*4:使用する記号についても,注意を払いたいものです.●と−は,有無を表します.プレゼンでは,あるかないかよりも,いけるかいけないか…大阪弁で言うと,あるかあらへんかよりも,いけるんかいけへんのんか…が問われますので,○と×を基本にすべきです.

*5:解消する人があなたであるかどうかは分かりませんが.