「ただいま」
「おかえり! 今日ね,ご近所さんのお子さんが来てんで」
「んでうちの子と遊んだんか」
「せやねん」
「おう,よかったの…と,来たから,頭なでたろかと思たら,逃げるねんなこの子は」
「そうそう,おもしゃかってんで」
「ん? 何やしおったんかいな」
「この子が,おもちゃを両手で抱えてて…」
「ふん.よおやってるなあ」
「あの子がそれを取ろうとすんねんけど」
「…」
「うちの子な,肩を前に出して(一方の肩を前に出すしぐさをする),物を引っ込めんねん」
「ありゃ.それで,あげへんのかいな」
「せやで.そんでな,そういう『もらうで』『あげやん』っての,何回かやってたら,しまいにあっちの子が,泣いてもうたんやで!!」
「へえ.えらいことするなあ」
「賢いわあ.前に会うたときは,あの子がひょいって取って,うちの子は『何?』っちゅう顔,してたからねえ」
「それを賢いと言うてええんかわからんが…いつものように,だっこしたろか」
「あなた,手洗い・うがいをしてからにしてね」
「へいへい」
文脈からわかると思いますが,いくつか解説を:
- おもしゃかった<面白かった
- 何やしおった<何か,しでかした
- あげへん,あげやん<渡さない