わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

スケジュール管理のすすめ

なぜスケジュール管理?

修論・卒論に限らず,各種ファイル作成だとか,「やらないといけないこと」だとかに囲まれて,我々われわれは日常生活を送っているわけです.
そのやらないといけないこと,「タスク」とも呼ばれますが,は,一瞬でとか,少々伸ばしてもまあ1時間でできるもの…ばかりではありません.どんな種類であれ論文は,何日もかけて,書き足して,書き換えて,完成となるわけですし,目的達成のために,教員や周りの人から情報をもらうだとか,承認を得ておかないといけないものも,あったりします.
メールで依頼して,送り先には届かなかっただとか読んで返事を忘れていただとかで,あなたのすべきことが進まなかったら,誰にとっても悲しいことです.
そういうトラブルを最小限にするために,自分のすべきこと,してきたことを記録に残すというのは,有用です.ということでスケジュール管理へとつながるのですが…
スケジュール管理の有用性・必要性を,551(ゴーゴーイチ)メソッドで説明することにします.551メソッドというのは私の造語です.おそらく関西限定と思いますが,551の蓬莱のですね,CMによっては豚まんだったりアイスキャンデーだったりするのですが,「あるとき〜」と言ったらみんな盛り上がり充実感があって,「ないとき〜」と言ったら途端に寂しく悲しくなるコントラストを,イメージしてみてください.
ということで,「スケジュール管理のあるとき〜」というのは,じゃなかった先に「スケジュール管理のないとき〜」から,やっておきましょう.まずありがちなのは,『締切・期限を過ぎてしまい,周囲に迷惑をかける』ということ.
それともう一つ,『重要でないことに時間をかけてしまい,重要なことをする時間が不足する』というのも,みなさんゼミやらなにやらで経験してきたことでしょう.一つひとつのタスクが,重要か,そうでもないのか,緊急か,っていうわけではないのか,そしてどれくらい時間がかかりそうなのかを,比較検討するため,目に見えるようにすべきなのです.
それでは551メソッドのアナザーサイド,「スケジュール管理のあるとき〜」のメリットに移りますね.まず,『自分のすべきことの外部化・一元化ができる』のです.スケジュール管理をしておけば,周りの人から,「これ,できるかな?」とか「いついつに,どこそこ行って,これこれしてくれる?」と聞かれたとき,自分で持っている記録に当たって,ダメならそれを理由付きで伝え,OKなら返事してからそこに書き足せばいいのです.“記憶するより記録せよ”とは,よく言ったものです.
メリットのもう一つは,『短期・中期・長期の課題を分けて考えることができる』ということです.手に負えるのかどうか分からない,大きな課題でも,より小さなタスクに分割すれば,それぞれを解く見通しが立てやすくなる,というのは確か,分割統治法でしたね.それと,手元の小さな仕事に追われて,数か月後の重要な仕事があるだとか,あるいは,自分はどんな生き方をしていけばいいのかとかも,見失わないよう,心の奥底でいいので持っておきたいものです.その種の大事なことを,定期的に思い出すのを,スケジュール管理がサポートしてくれます.

どうやって管理?

そのようなスケジュール管理を,具体的にどうやって行うかについてですが…
記録する媒体は,紙でも,手のひらサイズのデバイスでも,パソコンでもかまいません.
ポイントは,「一元管理」と「頻繁なアクセス」です.これがあなたなりにできるのなら,手段は問いません.
一元管理というのは,その反対を考えるのがいいでしょう.すなわち,大学関係はここに記録,アルバイトについてはここ,プライベートは…といったふうに分けて管理していて,さっき言った「“この日,空いているか”検索」がスムーズにできるのか,ということです.
研究に関して,すべきことを分割して進捗管理をする必要があります.それは,今回言うスケジュール管理とは別の,一つのフォルダまたはファイルに押し込めるのでも,かまわないでしょう.いやそうすべきです.「これはあれ」とすぐ思い出せるので.
しかし大学もアルバイトも個人的なことも,あなたの毎日はあなた一人のもので,あなたの肉体や脳みそは分割できないわけですから,そのあなたをサポートすることを考えると,日々の記録は1箇所で管理するのが,よりスムーズになるというわけです.
頻繁なアクセスについては,1回参照するのは短時間とし,そして1日に何回も見るようにしたいものです.そうでないと,さっきの「ないとき〜」で言った,重要な作業をしないでいるという状態を,防止できません.
参照を日常化し,参照(アクセス)する作業がスムーズにできるような方法を選びましょうね,となります.
ともあれ,私とっている方法を,紹介することにします.数年間,WindowsでもLinuxでも,Emacsを起動してそこにプレーンテキストのファイルを開き,「今日すべきこと」を記録していました.次の日には,前日の記録を取捨選択して,今日新たにすべきことを書き足していました*1
なのですが,少し前に,Schedule Watcherというツールを知り,試して,そろそろこれに乗り換えようかなと思うようになっています.
Windows用のソフトウェアです.ただし記録はプレーンテキストのファイルなので,そこから抽出だとか加工だとかするのは簡単そうです.
スクリーンショットを見てください.表示がカラフルですね.
いろいろといじれます.タスクを足したり,達成ということで取り除いたりしているうちに,期限のある仕事にせよ,研究などのミーティングにせよ,カレンダーの上で「やった」「やっていない」を一目で分かるようにしたいと思うようになりました.そこで分類には,デフォルトで,「出張・外出」だとか「休暇」だとか「プライベート」だとかあるのですが,独自に「期限」というのと「済」というのを作りました.
ミーティングのようなルーチンで動くものと,ほんとにこの日までにしないといけないんだっていう期限付きのものを,色で区別しようということです.「済」の分類は,灰色にしています.これで終わったことを表しているのです*2.済の色のたくさんできればできるほど,自分の仕事の達成感を味わえます.
ということで,このSchedule Watcherでは左下に表示される「ToDo」については,今の私は1件しか書いていません.ソフトウェアのライセンスの,継続手続きの期限です.これも,カレンダーの上で,期限の日に書いちゃってもいいくらいなのですけどね.
ところで,一元管理と頻繁なアクセスという観点で言うと,1台のパソコンでしかこのスケジュール管理ができないというのは,望ましくありません.1台のパソコンを24時間手元に置いて,使うのでなければ.
複数のパソコンで,このSchedule Watcherのスケジュール管理のデータを共有したいところです.
といっても,このソフトには直接,そういうことをしてくれる機能がなさそうです.なのでもう一つツールを入れたいところですが,オンラインストレージ,具体的にはDropboxを使うのはどうでしょうか.
Dropboxについては今回,詳しく説明しません.ファイルをプライベートに共有したい2台のパソコンにインストールし,一つのアカウントでアクセスして,共有できるようにしたとします.そのあと,Schedule Watcherの環境設定で,データを保存できるフォルダというのが指定できますので,そのフォルダを,Dropboxの中に変更すればいいのです*3
私もあれこれ失敗して知ったのですが,データフォルダの設定は,パソコンごとにします.それから,フォルダ名はすべて最後に「\」につけておく必要があります.「\」がなくてエラーというわけではないのですが,ファイル名の一部,すなわちプレフィクスになってしまいます.フォルダ名は6種類の情報で別々に指定しますが,すべて同じ値でかまいません.これを1箇所だけ書けばいいとする,お手軽管理のオプションは,今後のバージョンアップに期待したいところです.
Schedule Watcherは,こうしてスクリーンショットでみると,ずいぶん大きく,画面をかなり占めることになりそうに見えますが,F12というキーで,カレンダーだけの表示になります.カレンダーをアクティブにしてF12を押すか,タイトルバーのダブルクリックで,全体表示に戻ります.カレンダーのサイズや配置も,変えることができます.非常に便利なので,私自身これで,デスクトップ右端のGoogleガジェットから,カレンダーのガジェットを取り除いたくらいです.

まとめ

スケジュール管理は,あなたを縛るためにするものではありません.その逆です.
パソコンなり紙なりに記録することで,そこにスケジュール管理を委ねます.そして,今何しようかと悩むことから解放して,自分がすべきことに集中できるようになるわけです.
スケジュール管理ツールという空飛ぶ絨毯に身を乗せ,自分の行きたいところにびゅんびゅん,飛んでみませんか?

今日は何があったのですか?

今日,特に何かがあったというわけではなく,本日のエントリは,1月8日に研究室の学生を対象に話したことを,文字に起こしたものです.
(「まとめ」は2月1日に追加しました.)

*1:「今日のファイル」「昨日のファイル」「数日前のファイル」を開く - わさっき

*2:プレーンテキストの管理での「済」について:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20090213/1234471625http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20080403/1207172505http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20070515/1179176729http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20061020/1161292380

*3:Schedule Watcherがファイル内容の変更を知り,その内容を反映する機能があればいいのですが,少し調べたところ,なさそうですね.他のパソコンで加筆訂正したのなら,泥臭くても,Schedule Watcherの終了と起動し直しが,当面は不可欠のようです.