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大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

先生は,学生の研究成果を丸々,自分の成果として,論文にするの?

そういった別々の成果を論文誌に投稿するとき,全体を取りまとめるのに有用なのは,WordではなくTeXなのです.

これを書いていて上の書き方では,「先生は,学生の研究成果を丸々,自分の成果として,論文にするんかいな」という批判もありそうです.まずは脚注として答えようとしたものの,かなりの字数になりそうなので,エントリを分けました.
私の属する分野(情報科学情報工学)に限定した情報が含まれています.
複数人が関わった研究の成果については,「費やした時間」ではなく「問題解決に寄与した度合い」に応じて,関係者それぞれの貢献度を求めます.ここで貢献度は「誰が何%」という形ではなく*1,共著の論文の著者順という「順序関係」で決定し,また読者も知ることができます.通常,前の順位ほどよく貢献したという解されます.では,共著者一覧の最後の人物は,貢献が最も低いのかというと,そうではなく,その研究のボス的存在が書かれることがよくあります.
研究対象の選定や,中心的な概念・手法の考案のところが,問題解決に最も重要なところだと考えます.そしてそれを行うのは通常,何は有望そうで何は検討するだけ無駄というのを理解している,教員です.
実装は学生にお願いすることが多いですね.そして,本質でも中核でもいいのですが,本当になすべきことに照らし合わせて随時チェックをするのは教員です.評価実験の計画と分析のところでも関わります.学生が卒研で実施した実験結果の質が思わしくなければ,春休みに教員がやり直すこともあります.
文章表現については,学生の書いた原稿そのものではとても査読が通らないので,換骨奪胎と言っていいほど文章を作り替えます.
そうしてできた「お外向け」の論文原稿に対して,卒業生/修了生を共著者に入れるか,謝辞に入れるか,参考文献で卒論/修論を挙げるかは,寄与した度合いによってその都度判断します.

*1:特許ではそういう記述を求められたりしますが.いやあれは,大学ローカルだったか?