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みなさんから学んだこと

気合いを込めて準備してきた雑談も,今回が最終回となります.授業の後半では,これまで,「妻から学んだこと」「娘から学んだこと」「妻の父母から学んだこと」「実家の母と兄夫婦から学んだこと」を語ってきました.
それで,用意していた「誰それから学んだこと」はおしまいだったのですが,今日の授業でも何か,ということで…「みなさんから学んだこと」と題して,少しお話をさせてもらおうと思います.
突然ですが,今みなさんの手元にある,「小テスト回答用紙」に目をやってください.A4サイズの紙を横方向に切って4分割した用紙ですね.いつものように,授業終了時に提出してもらいますが…
毎回の小テストの解答と,先日を含めて2回分,演習室でA4の用紙に書いて提出してもらった分は,いつもTAの人に,学生番号順に並べてもらってから,Excelに打ち込んでもらっています*1
小テストはそれぞれの問題で正解率を出しています.簡単そうに見える問いでも,正解率が50%台とか,ときには50%を割ることもあります.2択の問題で正解率が50%というのは,どういう状況か,分かりますよね? 間違いを答えた人のほうが,多かったのです.そういう正解率の低い“難問”というのは,「知っていないといけないこと」をいくつか組み合わせて一つの問題にすることで,作っています.それといわゆる引っかけ問題というのも入れていますが,正解率を低くするというよりは,その問いからも学んでほしいという思いがあります.
記述式の問題には,多彩な解答がありました.こちらでは正解となる解答例を,頭の中に入れてから,問題文という形にして,授業開始の小テストで問うのですが,数は少ないものの,こちらの想定を超えた正解例や誤答例というのは,読んでいてわくわくします.
そんなこんなと,知的体験ができました.しかし,楽あれば苦ありです.
みなさんは,来週ですね,試験を受けることになります.それで,この科目とはお別れです.
2年生に上がり…再履修の人は,自分にあった学年に,読み替えてください…この部屋での講義のことを,おそらくは思い出すこともなく,より高度な講義や演習科目を通じて,学んでいくこととなるでしょう.私も,試験が終わり,成績評価をしたら,研究室の学生の,修士論文卒業論文の指導に時間をとることになります.3月になったら,次の年度の,研究や教育のことを思案します.それと,4月に締め切りの英語論文を書き上げるというのにも没頭します.
そんな中,現時点で,「みなさんから学んだこと」を端的に表す言葉を,自分の頭の中から引っ張り出してみると…『One for all』『All for one』というフレーズが出てきました.
日本語では「ひとりはみんなのために」「みんなはひとりのために」となります.
allは,受講しているみなさんを合わせたものを指します.ではoneは?
このoneは,今しゃべっている私,ではありませんよ.みなさん一人一人を指しているのです.
みなさんそれぞれが,私の授業にしっかりと耳を傾け,配付資料,スクリーンで出ている内容,そして小テストなどを通じて,学んでいます.そのとき,私は黒子役です.ラグビーなど,チームプレイのスポーツの監督というのが近いかもしれません.
みなさんの答案の中で,光るものを見つけたら,取り上げるようにします.正解はもちろん,誤答で,今後2度と同じ間違いをしないでくれ,というものも,見つけてみなさん一人一人に見てもらいたい,心に刻んでほしいのです.
このプロセスの中に,『One for all』「ひとりはみんなのために」と,『All for one』「みんなはひとりのために」の両方の要素が含まれていると,感じたのです.
oneは私ではないと言いましたが,私の視線で語ってみました.試験で合格するために,そして今後の学習を充実させるときにも,教員が必ずしもいない状態での『One for all』『All for one』を考え,行動してくれることを,期待したいと思います.
本日のエントリは,2010年2月1日の授業中に話した内容の再現を試みたものです.

*1:いやさすがに,A4の用紙の分で,中心となる記述についてはテキスト化していませんけど.