決して多くない自分の職歴(アルバイトや家業手伝いの経験を含む)をもとに,「仕事」について考えてみたことがあります.
自分の関わってきた範囲では,仕事は次のように分類できます.
- やり方を自分で決め,自分や他の人が実施する仕事
- やり方は他の人が決めていて,自分を含む人手により実施する仕事
- プログラムコードなどを自分で書き,計算機に処理させる仕事
新入社員さんは2の比重が多く,経験を積むにつれて1の割合が高くなるのが自然だと思います.3は,計算機を使う仕事ならではということで.
それはそれとして,最近読んだ本:
- 作者: 山崎将志
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/04/09
- メディア: 新書
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一番興味深かったのは,pp.156-159の「たった一〇秒で却下される 残念な志望動機」です.履歴書に書かれる,残念な志望動機の例と,著者によるツッコミを,拾い上げてみます.
- 「とにかく会ってみればわかります」:残念ながらその時間がない…会ってみれば何がわかるのかを伝えるべきである.
- 「御社の○○を評価します」:評価は採用活動以外の場で聞きたい話題である.
- 「前の会社はひどい会社でした」:過去の問題をあげつらうのではなく,将来について考えるのがビジネスであり,企業はそういう人材を求めている.
- 「前職は仕事がハードすぎて……」:仕事が多いことが原因ではなく,ただ本人の仕事の効率が悪いだけなのではないか,と疑ってしまう.
- 「協調性,指導力,行動力,忍耐力,瞬発力……等があります」:抽象的でよくわからない.誰にでもあると言えるし,ないとも言えるので,書くこと自体に意味を持たない.
- 「厳しい環境に身をおきたい」:環境に頼るのは,要するに自分に甘い人であるということだ,と見なさざるを得ない.
- 「御社を最後の職場にしたい」:おそらく,転職経験が多いのは勤め先のせいである,ということが言いたいのであろうが,かえって逆効果である.
ではどうすればいいのかというと,答えはこの本全体に広く浅く(深く?)書かれています.会社務めをしている方だけでなく,就職活動でいろいろ企業向けに書かないと・話さないといけない学生さんにもおすすめの1冊です.
私からはそれに加えて,求職活動において履歴書をはじめとする書類を作成することも,報酬はないけれど「仕事」なのだということを,アドバイスしたいと思います.冒頭の3項目に照らし合わせて,「自分にどのくらい自由度があるか」「他の人に何をしてもらうことになるか」「計算機を使えばいいことはあるか*1」を考えながら,減点や一発アウトのないように行動してくれればと期待します.
*1:プログラムコードを書かなくても,履歴書の自分用テンプレートを用意しておくとか,日々の試験や面接を受けた記録をつけておくとか,用途はいろいろあります.