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3年生の研究室配属

水曜日に,朝は対象学生を一室に集めて教員が順次説明をし,午後はオープンラボで自由訪問.そして木曜日の朝9時の,Webでの希望調査をもとに,10時から面接.という流れで,3年生の研究室配属イベントが行われました.
当研究室は,木曜日の朝7時に出勤するまで,他のいくつかの研究室とともに,希望者数が0でした.大学に着いてから,もう第2希望の学生が来るのでいいやと開き直り,動向を見ずに授業準備などをしていました.9時にページを開くと,ありがたいことにちょうど3人の希望.個別に面談し,受け入れることとしました.
第1希望で充足したのは,一人で研究室を運営し始めるようになって毎回のことです.「ちょうど」というのは,3年連続です.
「Webでの希望調査」についてですが,各研究室の定員は何名で,どの学生がどの研究室を希望しているのか,各学生は知ることができ,さらに設定されたタイムリミットまでは,自由に希望研究室を変更できます.ダメだなと思ったら希望研究室を移ることができるわけで,そのため“ならされる”といいますか,第1希望で「ちょうど」になりやすい傾向があります.さらに余談ですが,このWebアプリケーションの作成者は,私が修士論文指導をしていた学生で,しかし研究以外のことは他の先生や学生に任せっきりでして,今年度,このWebアプリケーションの保守は作成を指導した先生がなさっていました*1.おつかれさまでした.
希望者数が多かろうが少なかろうが,0人でなければ,希望が締め切られ,面談をする前にいつも気にするのは,こちらとの相性です.
具体的には,過去の私の科目の受講状況や成績です.どの科目も優だとか,100点の科目があるとき,こちらは心躍ります*2
10時になりました.選抜目的ではないので,面談では気を楽にして,今後のことを話し,質問を受けました.こちらが一方的にしゃべってしまったなと思ったら,進学か就職か聞いてみました.すでに本人なりに考えているのだけど,こちらの話すペースに合わせてくれるという状況も,ありました.
3人のうち1人は前期から当研究室に入ってきた学生で,残り2人も,話していく中で,人となりが分かってきました.コミュニケーションをとることに関しても,問題なさそうです.
メールで受け入れを報告し,午後にWebページを見直して,配属決定となっているのを確認してから,別の情報を見てみました.前期に受け入れた4人のうち,こちらで継続となった学生を除く3人の,状況です.
1人はちょうど定員となったところに名前がありまして,結局,第1希望で配属決定でした.しかしあとの2人は,それぞれ別の,選抜が行われる…すなわち第1希望で定員よりも多い希望者がついた…研究室を選び,残念ながらそこに入れず,第2希望の研究室探しをしていました.
去年もそういったケースを目にしました.あのときは,3年前期の配属がなく,入学直後の半期で基礎教養セミナーとして受け持ち,その後は半期ごとの始まりのときに,成績表を渡しながら履修についてアドバイスをしていた学生でしたが.
そうして関わってきた学生が,おそらく迷いながら,自分なりに未来を描きながら,選抜されるというリスクを背負いながら,第1希望を決め,そして面接内容その他の理由で落とされる光景を見るのは,なんとも忍びないものです.
といっても,そんな選抜を突破する方法を書くというのも,難しいものです.どんな基準で選んでいるかなんて,人気のある先生から聞いたこともありませんし.
とはいっても,好感度アップの要素を挙げることはできます.「修得単位数」「研究室の教員の担当する科目の成績」「プログラミング技能」「コミュニケーション能力」です.
これらはいずれも,研究室に入ってから活動をスムーズに行えるかを“事前に見積もる”のに有用な尺度・手段です.単位数が低いと,授業に出席する回数が多い分,研究室にいる時間が短くなると推測できます.授業以外でプログラム作りをしている人は,そのノウハウや苦労をベースにして,研究で使用するソフトウェアや開発環境,またライブラリやアルゴリズムの理解・習熟が,そうでない学生よりも早いだろうと期待できます.
しかしこの4項目,どれも,研究室配属直前に学生が思案しても,意味のないものばかりです.強いて言うと,面接対策としてのコミュニケーション能力については,訓練の余地があるかもしれません.しかしこれは,一人で能力を向上させることが困難という問題を抱えています.誰かに協力を求めるとして,同学年? 先輩? 先生? 学外の人? いずれにせよ大変です.
もう配属スケジュールは終わったので,放談として書いておきますが,試験と同じように山を張るのは,一つのやり方です.先生をあっと思わせ,(良い)印象が強く残るような「話せること」を準備して,面接に臨むのです.もちろん山が外れたら,さよならです.準備をしないよりは,ましです.
昨日,2年生8人に成績を交付しました.基礎教養セミナーでは全員無欠席という真面目ぶりで,1年後どうなるかが楽しみです.あ,まずは来年度4月の配属ですね.
最後に,水曜日のことに話を戻して,オープンラボに協力してくれた学生に感謝したいと思います.私が研究のことを話すよりも,4年生をはじめとする学生が話すほうが,3年生にとって,研究室でどんなことをするのだろうかというのが,イメージしやすかったと想像します.研究室の結束を再確認するとともに,同室のお隣の研究室と友好的にやっているのを知ることもできた,良い1日でした.
写真は本文内容と関係ありませんが,「なぜこんな時間にリリースしたのか?」とは関係があります:

*1:開発した院生へのアルバイト料をとってくることまで,されていたのを,思い出します.

*2:「成績の悪い学生は?」という質問もあるかもしれないので,書いておきますと,3年後期の配属は,ある演習科目と連動していまして,その演習の受講資格として,80単位以上を修得しているというのが課せられています.そのため,極端に単位数の少ない3年生や未配属学生は,門前払いとなります.「じゃあ切り捨てるの?」という質問に対しては,実は前期の配属では,単位数制限なく,3年生・未配属学生全員がどこかの教員につくこととなる,というのが答えです.今回,配属されなかった3年生以上の学生は,前期配属の教員が,継続して履修指導をしていくことになります.