「あなたのお土産,開けていい?」
「ああ,開けてや.鯛焼きやから」
「ふうん…へえ,こんなんあるんや! かいらしやないの!!」
「鯛焼きと回転焼きの合いの子みたいやな」*1
「ほな食べよか」
「せやな」
「まずはおじいちゃんね」
「ほなもらうで」
「はいどうぞ」
「パパは?」
「うーん,お腹すいてないし,明日の朝にでも食べよかね」
「わかった.あたしももらうで」
「どんぞ」
「ほし!」
「よっしゃ,残り半分,あげるで」
ここで娘はいったんママのほうを見て,そして口に鯛焼きを入れました.
「ええんやで,食べや」
「ええのんもろたなあ」
ここで娘はじいっとパパのほうを見て,そして口をまた動かしました.
「…あのな,ママ」
「どしたん」
「ママを見るときの目は,『食べていい?』やってんけど,俺を見るときの目は,『あげへんで』やったような気がするんやが」