「マルチプルチョイス」の略。
マルチョイの意味 - goo国語辞書
いくつかの解答を示し、中から正しいと思うものを選び出させるテストの方式。多肢選択法。多項式選択法。マルチョイ。
multiple-choice(マルチプルチョイス)の意味 - goo国語辞書
まるちょい,なんかひびきがいい.
それはさておき…
試験を昨日実施しました.さっそく,多肢選択式の大問1だけマルバツをつけ,Excelに打ち込んで,各学生の得点と,各問題の正答率を計算しました.
昨年度・今年度の試験問題や授業中の小テストの中で,印象に残っているものを取り上げます.
試験ではいつも,「以下のそれぞれについて,標準的なC言語の規格もしくはプログラミングの心がけとして正しい文になるよう《……》の中から選び,その番号を解答しなさい」という文を入れています.以下は,______の中に何を入れればよいかという形にします.
- カッコの中にカッコのある状態を,カッコの______という.
- ネスト
- 入り子
第1回授業を踏まえて,第2回授業開始時の小テストで出したところ,正答率は30%でした.出題前に,goo辞書で「入れ子」と「いりこ」を確認しています.
- 「#define square_int(x) x*x」と書いたとき,square_int(2+2)は______と評価される.
- 8
- 16
これも小テストより.正答率は29.7%でした.単純な置換なので,2+2*2+2になるってやつです.試験では,オブジェクト形式マクロで同様の結果になる問題を出しました.実用としては,演算子の優先順位に影響されないよう,置換内容全体にカッコをつけるべきです(関数形式マクロでは,置換内容の中の引数の前後にも).
試験で出したところ,正解率が4割を切りました*1.!は論理演算子で,^は2項演算子です.$は演算子ではありません.ちなみにこの4つの選択肢の並びは,ASCIIコード順です.
- ______のプログラム開発工程は,要求定義,外部設計,内部設計,コーディング,テストからなる.
- ウォーターウォールモデル
- ウォーターフォールモデル
- ファイアーウォールモデル
- ファイアーフォールモデル
これも試験に出しました.正答率は,それほど悪くありません.「ファイアーウォール」は防火壁のことで,情報セキュリティのトピックです.「ファイアーフォール」という言葉はなく,国語・英語の辞書にも載っていませんが,去年の4月の情報セキュリティの初回,セキュリティについて何でもいいので書いてくださいとして出題し,授業後に読んだときに,複数の学生が書いていた言葉でした.
小テストより.「アップ」で1の誤答を期待しつつ,正答率は93%と高く出ました.念のため解説すると,1と3は,スキルアップにより期待される効果であり,「ことを」ではありません.
- 改行せずに「if (条件) 処理1; 処理2;」と書いたとき,______,処理2を実行する.
- 条件の真偽にかかわらず
- 条件を満たすときに限り
プレ試験問題より.改行は無関係です.年明けの演習室授業(プログラム打ち込みと記述)で,「条件を満たさないときには,処理2を実行する」の意味に取れる答案が少々あったので,過去問を思い出して出題したのでした.
- ______を戻り値とするような関数を定義してはならない.
- 関数内の自動変数を指し示すポインタ
- 配列を含む構造体
- 列挙型の値
- void *型のアドレス
これもプレ試験問題より.学習内容のパターンマッチでも解けますし,消去法でも解けます.
- オーバーフローとは,______ことを試み,期待する値にならないことをいう.
- char 型の変数に10000 を代入する
- 1.0 から始めて2.0 で繰り返し除算する
- 0.1 を10 回加算する
- 負の整数に%演算子を適用する
昨年度の試験問題より.印象に残っているのは,誤答の選択肢の4で,これはa=bq+r*2という式において,aが負,bが正のときに,rは正か負かという話です.情報セキュリティのRSAのアルゴリズムで,準備として言っている話を,1年生のプログラミング授業に下ろしてみました.今年度は,取り上げませんでしたが.
なぜ多肢選択式の問いを実施するか…授業で学んだことが正しい知識となっているか,広く確認したいからです.確認するのは,採点者・成績評価者である私もそうですが,むしろメインは学生です.誤りの選択肢の中にも,「この言葉も,教わりましたよね?」というメッセージを込めることができます.頻度は少ないですが,「そんなわけないよ!」と言わせたくなることを意図して,上述の「長期休暇で身につけたものを忘れる」*3のようなのも入れることもあります.
2年前まで,試験では2択を中心としていましたが,昨年度は4択を5問,今年度は10問としました.これは,項目応答理論に基づく分析をしたいと考えているからです.そのためには4〜5択が適している(らしい)のです.分析をするのは,いつになるか分かりませんが.