わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

1リットルの汗

もうだいぶ前ですが,銭湯から上がったとき高学年らしい子がいたので,「おじさんは今1リットル汗を流したんだが,すると体重はいくら減ったことになるのかな?」と聞いてみましたが,その子は答えられませんでした.
このように日本の算数教育での「量」の扱いは,まことに中途半端なものです.
(『いろいろな量 (子どもを賢くする?よくわかる算数の授業 )』, p.10)

答えられなかったのは,リットルからキログラムへの変換ができなかったからではなく,執筆者・銀林浩氏とその子の間で信頼関係ができていなかったからではないのでしょうかね.
見ず知らずの大人に質問されて常に真剣に考えるようでは,学校の帰りに「お母さんが事故に遭ったんで,車で病院まで連れて行ってあげるよ.お父さんも駆けつけてるんだって.学校の先生からも,連れて行ってほしいって頼まれたんだ」と言われたら,言わるがままに車に乗り込み,誘拐の被害者になってしまいそうです.
この疑問点に比べれば,体積・質量の換算を算数が担うべきか理科で学ぶべきか(あるいは総合学習か),汗は水とみなしていいのか,温度は考慮しなくていいのか,汗以外の理由で体重が減る分はどうするのか,汗をかいたら飲むか食べるかして(銭湯だったら皮膚にお湯がつくせいで)体重が増えるのではないか,といったことは,野暮なツッコミでしかありません.
ところで最近,書店に行くと,小学校の算数指導の棚をチェックするようになりました.まだ,例の《問い》にどちらでもよいというのを支持する本は,見つかっていません.それは別として冒頭の本は,たまたま目にした1冊です.
内容に関して,気になるところがあるので,もう1回取り上げる予定ですが,[5×3]のカテゴリにはしないと思います.シリーズになっているらしく,『かけ算とわり算』がISBN978-4-535-60405-6で3月刊行予定とのこと.出たら買います.