- 概要
- 研究の背景
- 研究の目的
- 引用記号
- 表記
- 図は簡潔に
- 画面例
- 結果に主観は入れない
- 記述なしの章・節
- 先輩の卒論を読む
- 余談:今年度の卒研生は4人
概要
自分の研究以外の説明を減らし,自分の研究の説明を増やして,割合は半々くらいになるようにしてください.
研究の背景
読ませてもらった卒論の,研究の背景の中に,「インターネット」が書かれていないのは不自然なので,最初の段落のどこかに入れてください.
研究の目的
研究目的を書くべきところ,整理されていない印象があります.
「何を目的とした」「その目的を実現するに当たって,何を実施した」かを書くようにしてください*1.適用対象の名称も,挙げておくほうがいいでしょう.具体的にその対象のうちどこを使用したかというのは,あとの章でかまいません.
引用記号
「[1]」のように書く引用ですが,上付きでなく通常の文字としてください.
句読点と引用が重なるときは,引用を句読点の直前に置いてください.もし引用を句読点の直後に置くと,それが,直後に書いていることと結びついて,箇条書きの番号と誤解される可能性があるのです.
表記
「Postgresql」は,「PostgreSQL」としてください.
サーバ仕様でコア数を書く際,「クアッド」ではなく「4」と書いてください.
ソフトウェア名を本文で列挙していますが,カンマの直後には空白を置いてください.
図は簡潔に
ここの図ですが,まず,左端の「例」を2つとも取り除いてください.
そして,下向き矢印の右の添え書きもなくましょう.図見出しと本文から分かります.矢印は,図の中でセンタリングしてください.
画面例
スクリーンショットは,まだ完成していないから同一画像を置いているのはいいとして,それにしても数が多いように感じます.
説明するにあたり必要不可欠なものを選んでください.
むしろ,図見出しをつければ,どんな図が必要かが分かりやすくなるかな.
結果に主観は入れない
実験結果の節で,「約10,000件もの」と書いていますが,「もの」は主観を含みますので,「約10,000件の」に変更してください.
記述なしの章・節
節見出しだけのところに文を書いていくのは,システムを作り評価をしてから(より正確には「しながら」)になると思います.
ですが,システムを作っていく最中にも,どんな情報を書く必要があるか,考えていってください.
今回指示した修正をしたら,2upで印刷し,思いついたことを鉛筆などで書き加えるというのも,おすすめです.
先輩の卒論を読む
この時期にこの分量はまずい.まずは,卒論完成のイメージを持ってください.
具体的には,昨年度の卒業論文をあと2,3個,読んでください.
そうして,構成やアピールポイントをつかみ取るとともに,図表や文献の番号の表記方法についても,把握してください.
あと,おかしなところや不十分な記述もすぐ見つかると思います.卒論はそんなもんです.「完成」が求められていますが,「完璧」は求められていません.
余談:今年度の卒研生は4人
今年度の卒研生は4人です.みな無事に,卒業論文を提出しました.
4人が適正な人数です.3人以下だと,こういう日記を書くと,誰の卒論に対する修正指示かばれてしまうかもしれません.5人以上になると,指導に時間が取られ,修正内容を整理して当雑記でリリースする暇がないように思います.
*1:ある学生には,「本研究では,…を目的とし,…を行った.」という形の文を,研究の目的の節で最初に書くよう,指示しました.