お知らせ 2011年12月以降のエントリは,雑報一覧(2012年版)で整理しています.
- トランプ配りは教育上有害
- トランプ配りを改めて確認
- 「トランプ配りは教育上有害」とは
- cの上
- 2種類の「どうして」★
- かけ算でキャッチボール
- 「どちらでもいい」は書く人ではなく書いてもらう人が言うこと
- 《AB型》,《BA型》,《B型》
- 逆BA型?
- Re: 机のかけ算★
- 本棚
- 何じゃこの掲示板は★
- 5×3をめぐるお話・第3話
- サンドイッチはくだらない
- サンドイッチとは
- サンドイッチへの賛意と批判
- 学習指導要領から見たサンドイッチ
- サンドイッチとトランプ配り
- ルールを決めればこっちのもの
- 5×3をめぐるお話・第4話
- 5×3をめぐるお話のもう一つの解説
- 5×3をめぐるお話・第1話のさらに別の解説
- 乗法の導入の解説
- 過去の誤記に目を閉ざす者は
- 状況をdouble-tree structureにする
- 再掲:AB型とBA型
- Re: 「1つ分の大きさ」が2つ見出せるとき★
- 思いついたシナリオ
- Re: 時速1kmで3km歩く道のりの時速4km分の道のり
- 今後の予定
- 乗法の意味,情報の価値
- (解説のつかない)学習指導要領から
- 昭和50年代前半に論じられた,乗法の意味
- 科研費でかけ算の順序
- 折り込みチラシに書籍にWebに
- 学研教室のチラシより
- 独習・かけ算の順序
- またも訂正,というか撤回
- かけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきである・読み直し
- 分類変更
- 世に数学の種は尽きまじ
- 数教研のかけ算文章題
- サンドイッチ&学年が上がればどちらでもよい
- 万有引力の式
- 複比例?
- 形成的評価・見直し★
- 5×3をめぐるお話・第5話
- すぐ解説
- 今後の予定
- 『かけ算には順序があるのか』を読んだ
- まずは新刊
- 「1あたり量×いくら分」は認めるが,逆は認めない
- 数学教育協議会しかないのか
- その他
- 修正版:独習・かけ算の順序
- 前の学習指導要領解説との比較
- 電話のまずさ
- 順序にこだわった指導が有効であるというデータを出せ
- 交換法則を学べばどちらでもよい
- 俺数教協
- 書くことは信じること
- 本日の標題について
- 順列とみかんの個数 - 視覚的に
- 順列とみかんの個数 - 式から
- 1位・2位の組み合わせの別解
- あらためて,乗法の意味について
- 球形,じゃなくて休憩
- 5×3を推す人
- なぜ問題集?★
- 「教育はデザイン」とは?
- 末の子が小学校を卒業しても,私はかけ算のことを考えているのだろうか
- まえがきを読み直す
- 中学校学習指導要領解説
- (分離量or離散量)or連続量
- かけ算とプログラミング
- 乗法の意味の中で一番のお気に入りは
- 学校給食に対して,何ができるだろうか
- もう少し,書きむしるか
- その後「×」から学んだこと
- 前回(「×」から学んだこと)から,どんな変化がありましたか?
- 《 と 》 で囲まれた言葉は,どこかで定義されているのですか?
- 「かけ算の順序」のどこがおかしいのですか?
- 何を言っているんだ,5×3か3×5かに決まってるじゃないか!
- 「かけ算の順序」をよく研究している大学の先生がいますが…
- では「かけ算の順序」の代わりに,何と言えばいいのですか?
- トランプ配りで考えて式を立てる子に対して,どうすればいいのでしょうか?
- 乗法の交換法則を,なぜ使ってはいけないのでしょうか?
- 乗法の交換法則の意味するところは,そうではありません.
- トランプ配りを指導している,数学教育協議会が,教育上有害な団体なのでしょうか?
- 結局のところ,式に単位を書かせるべきでしょうか?
- どうして,サンドイッチなんていう珍妙な指導方法ができたのでしょうか?
- 長方形の面積は,縦×横でも横×縦でもいい?
- 3×5=15と書いたからといって,かけ算の意味を理解しているとは限らないのでは?
- その後「×」から学んだこと・毒編
- 「続編」ではなく「毒編」?
- 『かけ算には順序があるのか』をなぜ批判しているのでしょうか?
- 『かけ算には順序があるのか』の著者が憎いのでしょうか?
- あなたのブログの情報で,「かけ算には順序がない」という人々を,説得できますか?
- あなたの主張はトンデモです!
- あなたも,「5枚×2個/枚=2個/枚×5枚」として,量の交換法則を認めている!
- はっきり言って,「順序派」の人は嫌いですか?
- 俺量の意図は,自己顕示以外に何かありますか?
- 「演算決定」「形成的評価」は耳慣れないのですが,あなたの言葉で説明してもらえませんか?
- 形成的評価を重視しているのは,なぜでしょうか?
- 「九イズタイムショッ九」なんて,馬鹿馬鹿しい.それに最後の問題は,二九,18文字でもいいのでは?
- この論争にあたり,あなたの指導経験や専門性を,どのように活用されたのでしょうか?
- あなたの書かれていることには,何か出典があるのでしょうか?
- おすすめの本を教えてください.
- おすすめのWebページを教えてください.
- ツッコミばかりですんまへん
- 板書で見る,乗法の導入
- 金額は同じ
- 5×3をめぐるお話・第1話へのツッコミへのツッコミ
- 算数の本,図工の本
- 修正《BA型》
- 『量と数の理論』を読んだ
- 『授業の復権』を手に入れた
- Re: その後「×」から学んだこと
- 俺演算決定
- 本日の主題を一言でいうと
- スタンダードな「演算決定」,その例題
- 俺演算決定
- 東京書籍に見る《BA型》
- パターンブロック
- 割合を百分率にするためのかけ算
- 徳保的算数
- 乗法宝探し
- 7の段,8の段,9の段と1の段
- 机の数をかけ算で求める問題で,正解が一つというのはおかしい
- 「ボートで、かけ算」改訂
- 休憩
- メタメタさん
- テトさん
- 田中博史氏も,かけ算の順序にこだわらない?
- 「乗法宝探し」とは
- 右ローテートとトランスポーズ
- 右ローテートとトランスポーズ
- 何ですか,この画像処理は!?
- ブログ書けない病
- 中身先型・中身後型・中身隠れ型
- これが《A型》?
- パー書き教育
- 可観測・可制御
- 延々と続けられるわけ
- Q&A 2つ
- 本探し,出題探し,教え方探し
- 対象を,広げる,狭める
- 「積」再考
- 先達に学ぶ,移り変わりを知る
- 田中先生は一歩先を行く
- 『かけ順』第1刷・第3刷の読み比べ
- 中島健三の来歴
- 「倍」と「積」から学んだこと
- 前回から,どんな変化がありましたか?
- 「倍」と「積」とは何ですか? 辞書の意味と違うのですか?
- どうして,「倍」と「積」を区別するのですか?
- 《倍の乗法》と《倍指向》,《積の乗法》と《積指向》は別物ですか?
- 《…指向》と《…の乗法》は,鶏と卵の関係でしょうか?
- 《倍指向》と《積指向》の具体例は,ありますか?
- 《倍指向》と《積指向》は,あなたの思いつきでは?
- 《倍指向》と《積指向》が同等であるとは,どういうことですか?
- トランプ配りが《積指向》という点について,詳しく説明できますか?
- 《倍指向》と《積指向》には,起源,または数学的な裏付けがあるのでしょうか?
- 結局,《倍指向》のほうが《積指向》に優るのでしょうか?
- 長方形の面積で,横×縦にバツをつける先生がいることについて,どう思いますか?
- 順列の式では,「幾つ分×1つ分の大きさ」になるのでは?
- 「1あたり量×いくら分」ではいけないの?
- 日本の算数教育は「1あたり量×いくら分」になっているのでは?
- 宮下氏の主張に賛成ということですか?
- 金田氏の論文は信頼できない★
- 量の交換法則を認めないのは変だ
- 内包量は加法性を持たないってのは変ですよね?
- 外国で,かけ算の順序が反対だとバツにする事例はありましたか?
- 英語の本や有料のPDFファイル,入手困難な紀要や書籍を出典にするのはずるい
- 「100ワット×2時間」と「2ワット×100時間」は区別しなくていいの?
- 「式の意味」と「乗法の意味」は違うのですか?
- 「かけ算の順序」が「マイナスイオン」だなんて,何を馬鹿なことを言っているのですか!
- トランプ配りでかけ算を理解している子どもがいたとき,その考えを認めますか? それとも,かけ算の順序を矯正しますか?
- 小学校のかけ算の教育を理解するために必要なことは何ですか?
- これで,文献調査・Q&Aづくりは終わりですか?
- デカルト積のピクトリアル
- [Greer 1992] - 上下の服
- 板書で見る - ふしぎな花のさく木
- ワクワク授業づくり - お菓子
- [Freudenthal 1983] - 男女
- 中国の教科書 - 風船
- 動く素材 - チョコ
きりぬき
「私はここでバツがつくことに,納得がいきません.ですが本人が理解していて,今後この種の出題があったときに,どう考えてどう答えにすればいいかを分かっていれば,それが現在の学校教育なのであり,かつてそうは学ばなかった,私としても,学びたいと思います.できればその前後関係といいますか,どのように学習していて,この学習がこれから,どのように役立つか,ご教示いただけませんか」
トランプ配りは教育上有害:2種類の「どうして」
違いを,言葉で説明してみます.出題において,「1つ分の大きさ」が容易に発見できるよう,表記されているか,図だと囲い込みがなされているならば,それを被乗数とした式にしなければならず,その場合,被乗数・乗数を反対に書くのは正解として認められません.一方,特に図から式を立てる際,「1つ分の大きさ」が2つ見出せるときには,交換可能な2つの乗算式がいずれも正解になります.
「どちらでもいい」は書く人ではなく書いてもらう人が言うこと:Re: 机のかけ算
なお上記の「正解として認められません」というのは,「バツになります」ではありません.「問題集にはそれが正解として挙げられていない」の意味であり,そこは逆にしても差し支えないという信念の先生が使えば,問題集の解答を機械的に適用するのではなく,マルとするでしょう.
「どちらでもいい」は書く人ではなく書いてもらう人が言うこと:何じゃこの掲示板は
- 「総数を,どのような状況で算出するか」のプロセスに関して無頓着,というか恣意的.いろいろな考え方を発見して授業中などで皆と共有する状況と,採点されることを意識してどのように解答する(一つの解答を記述する)かを決める状況とで,とるべき行動が異なるのを無視している.
小学校の範囲を超えますが,x^2+x-2=0というxの2次方程式において(ほかに制約がないときに),x=1を正解とするわけにはいきません.この場合は,x=-2,1などと書きます.実数(複素数かも)全体の集合に対する部分集合{-2,1}によって,解が特定されます.
過去の誤記に目を閉ざす者は:Re: 「1つ分の大きさ」が2つ見出せるとき
トランプ配りは,数学教育において,なぜ広まらなかったのでしょうか?
世に数学の種は尽きまじ:形成的評価・見直し
という問いを立てても,私自身,答えられません.なのですが,
それと近い時期に,海外から持ち込まれた,診断的評価・形成的評価・総括的評価はなぜ普及したのでしょうか?
という問いと合わせて考えると,何か言えそうな気がします.もちろん,学習指導要領の中に,これら3種類の評価項目が明記されているわけではありません.しかし「指導と評価の一体化」というキーワードにおいて,これらが親和性を持っているように感じるのです.
交換法則を満たさないというのは,「1あたり量a×いくら分b≠いくら分b×1あたり量a」を直ちには意味しません.というのも,その右側の「いくら分b×1あたり量a」が,俺量を対象とした乗法の式として,認められていないよう,代数的構造を定義すればいいからです.このとき,「1あたり量a×いくら分b=いくら分b×1あたり量a」も「1あたり量a×いくら分b≠いくら分b×1あたり量a」も示せないのです.これはその構造の欠陥というのではなく,「いくら分b×1あたり量a」は,=という同値関係の対象にならないというだけのことです.
俺数教協:『かけ算には順序があるのか』に適用すると
世の中でどういった出題がなされているかを知るのはもちろん,事前事後の学習者の能力(「〜できる」という形であらわされるもの)を手っ取り早く知るには,出題における前提条件がよく分からないネット上の議論よりも,算数以外に課題をお持ちでお忙しい現場の先生に尋ねるよりも,入門にと話題の本を買ってその背景にあるマイナーな考えに陥ってしまうよりも,まずは問題集を何冊か買って読むことを,推奨する次第です.
書くことは信じること:なぜ問題集?
これら2種類は,整然とした配り方と言ってもいいでしょう.しかし,整然としていないけれど最終状態は同じになるような配り方が,比較にならないくらい圧倒的な数,存在します.なので,特定の配り方にこだわって乗算の式を立てるというのは,作為的であり不自然に見えます.三角定規を持ち出して内角の和が180°であると言うのと同様に,問題文から想起できるいろいろな事例のうち,限定された場面にしか対応していないのです.
もう少し,書きむしるか:配り方にこだわってかけ算の式を立てるのは止めるべきである
*3:(略)一般化によって,求め方が減るというのは,興味深いのですが,研究においても,(個別問題の集合として)問題AとBがあって,AがBに真に含まれるとき,Aを解くアルゴリズムはBを解くのに必ずしも使えないわけで,とくに違和感はありません.
対象を,広げる,狭める:ほかの国では
「大学生になってもかけ算を『被乗数×乗数』の順に書かなければいけないと考えるのは非常識だと思う」のところは,[中島1968b](無料ではありませんが)を読むことで,数学と数学教育がどう関わるべきなのかを,もっと多くの人が考えてもいいのではないかと,思っています.
「倍」と「積」から学んだこと
小学校の第2学年を対象とした,乗法の意味の量的な意識調査は,知る限り[金田2008]が唯一です.
乗法の意味に関する学習者の理解については,[Vergnaud 1983]にも事例が見られ,質的研究に位置づけられるものとして[高島2000]があります.乗数を整数から小数・分数へ拡張する際に,児童は適切に理解しているのかというのはわりと古くから見られる問題意識で,この点に関する,第5学年や教員志望の大学生を対象とした意識調査・理解度調査も,いくつか文献があります([中島1968a] [今井1994] [岸本2000] [浅田2006] [小原2007] [齋藤2011]).
なにこれ
「雑報」として書いたエントリを,見返しやすくするために作りました.
なお,「きりぬき」は気まぐれに選んだものです.今後も追加・削除の可能性はあります.
なぜ雑報
一つの雑報を,複数に分けてそれぞれエントリにすると,サイドバーの「最新タイトル」が,[5×3]のカテゴリーだらけになってしまいます.そして,それは望みません.なので,あえて凝縮しています.