2. 『かけ算には順序があるのか』をなぜ批判しているのでしょうか?
一言でいうと,その本の内容が,乗法の意味理解を支援するものにならないからです.論証を大事にする数学の観点と,発達に応じた指導をしていく数学教育(小学校の算数科の指導を含みます)の観点の両方で,看過できない記述があります.
別の言い方をすると,「大人の,大人による,子どもを無視したかけ算解説書」です.常識に頼る面がある一方で,数学教育の文献調査をじゅうぶんにした上で書かれているようには見えません.
関連:『かけ算には順序があるのか』を読んだ-まずは新刊
3. 『かけ算には順序があるのか』の著者が憎いのでしょうか?
面識はありませんが,相互にブログにコメントを書いています.憎しみは別段ありません.例えばブログ内の「中学数学の問題集を作ったことがある」という趣旨の記述から,自分の関与してきた範囲を明確にしており,その点で誠実であると理解しています.また良質の情報提供があり,とりわけ1972年1月26日の朝日新聞の記事 | メタメタの日の中の引用部は,得がたい情報でした*1.
しかしブログエントリを見ると,ぎょっとさせられるものもあります.いくつか挙げておきます.以下『かけ算には順序があるのか』を「同書」と略記します.
- 量のかけ算でも交換法則は成り立つのか(3の3) | メタメタの日:同書にもほぼ同じ記述があります.「3km/(km/時)×4km/時」という,繁分数のような単位を含む式を書いていますが,3km/(km/時)を「時速1kmで3km歩く道のり」に対応付けていて*2,これが3時間と等しいことの根拠が書かれていません*3.
- 来年度の教科書―掛け算には「正しい順序」がある!? | メタメタの日:同書では取り上げられていません.ボートの問題について,図を描き始めるのがいつなのかで,「第1文を読んだとき」「第2文を読んだとき」「第3文を(最後まで)読んだとき」の3つに場合分けできます*4.そしてもし,第1文を読んだだけで,ボートをあらわす大きな丸を3つ,描いたとしたら,第2文で「2人」ではなくもっと多い人数だったとき,大きな丸の中に入りきらないことが予想されます.無理して描いたとしても,どのボートにも同じ人数が乗っているかどうかが分かりにくくなります.このように検討した上で,乗法の式で表すための「1つ分の大きさ」「いくつ分」の発見と合わせて,図の描き方の意図が見えてくるというものです.ということで,「図の描き方の順序まで指定している」と評するのは,読み込み不足です.
- 文字式、学校で教えていることは間違っていない | メタメタの日:規則ア〜キを眺めて残念に思うのは,真っ先に演算子が現れる点です.そうではなく演算の対象あるいは集合を明確にして,その次に演算(演算子を含む式)を定義するのが,数学の文章を目にする限り自然な流れだし,情報科学(工学)に関わる者からしても,例えば式の解析器を作る際に不可欠なアプローチなのです.
「人は自分の見たいものしか見ない」を,思い浮かべずにはいられません.
関連:状況を図にする コメント,ボートが 3そう あります,ボートで、かけ算,時速1kmで3km歩く道のりの時速4km分の道のり,過去の誤記に目を閉ざす者は-Re:時速1kmで3km歩く道のりの時速4km分の道のり,Rubyで6÷2(1+2)
4. あなたのブログの情報で,「かけ算には順序がない」という人々を,説得できますか?
説得するだけ無駄でしょう.「ネットでは結論が出ている」という人は,ネットの中で閉じこもってくれればよいと思います.
当雑記では,今後も,検証可能な情報提供を続けていくことにします.
関連:「×」から学んだこと-基礎資料等-Q:Web上の議論をどのようにお考えですか?
5. あなたの主張はトンデモです!
そうなんですよ…
村川猛彦さん「なぜ3×5で正答で、5×3が小2のテストでは誤答なのか」→Q48
4. 算数教育関係者や大学の先生などの発言
http://kidsnote.com/2010/11/15/35or53/
率直に言って単なるトンデモ。算数教育に無関係な人なので良かった。
挿入されているURLの意図が,読み取れません.
当該ページ全体に対する感想は,昨日の「4. 何を言っているんだ,5×3か3×5かに決まってるじゃないか!」のところで書いたのと同じです.学習者に配慮されているとは思えませんし,加えて,《算数解説》の内容検討が不十分と言わざるを得ません.
ちなみにQ48について,これが書かれたのは2011年1月末のことで(当雑記のアクセスログより),取り上げ方が恣意的だったので,何とも困りました.雑記内部でリンクを張って,誘導を試みたのは数日後のことです.ただ,言うのも何ですが,これがこの人の芸風,そして能力の限界なのかと思ったものでした.
関連:黒木玄さんに取り上げられていた,文章題・応用問題の正解率の低さに関する仮説,折り込みチラシに書籍にWebに-かけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきである・読み直し
6. あなたも,「5枚×2個/枚=2個/枚×5枚」として,量の交換法則を認めている!
あれですね…
…と,悩む必要はありません.「かけ算指導の出発点は『何のいくつ分』」「交換法則利用可」「単位は無頓着」を前提とするならば.
余りのある等分除・再考
まず,交換法則の適用について,確認しておくと,「5枚×2個/枚=2個/枚×5枚」なので,「14個=5枚×2個/枚+4個」を「14個=2個/枚×5枚+4個」に変換できます.単位付きの式の計算規則については,小学校で使用する範囲で考えるなら,それほど難しくありません.(略)
これについて,その後検討したことを踏まえ,見解を書いておきます*5.
- ×の左右に任意の量を書けるような,量とそれに対する規則(演算)*6を定めることができそうです.そこにおいては,「5枚×2個/枚=2個/枚×5枚」が成立します.
- ×の左右に書くことのできる量を限定し,かつ小学校の範囲で立式・計算できるような,量と規則(量を対象とした加減乗除)を定めることができそうです.そこにおいては,「5枚×2個/枚」が式として認められず,「5枚×2個/枚=2個/枚×5枚」「5枚×2個/枚≠2個/枚×5枚」のいずれとも,判定することができません.
上記の「量」は,俺量に限りません.『量と数の理論 (1978年)』で論証されているユークリッド式量空間をもとにしても,つくることができるように感じています.
関連:俺数教協-『かけ算には順序があるのか』に適用すると,『かけ算には順序があるのか』を読んだ-「1あたり量×いくら分」は認めるが,逆は認めない
7. はっきり言って,「順序派」の人は嫌いですか?
主張や例題は興味深いのですが,教育という点で仲間にはなれないなあと思っています.好き嫌いの感情は,とくにありません.
ただ,あれこれ読んでいく中で,共通性が見出せるように思います.列挙します(ただしいずれも,「順序派」に分類する必要条件でも十分条件でもない点は,ご理解ください).
- 持ち出す例題は,かけ算で表すのが前提のものばかりです.要は「演算決定」を無視しています.
- 持ち出す例題と,他の問題(《問い》など)の関連性についての説明が不十分です.自分が指導をするならという意識が希薄なのかもしれません.
- 「学校の指導=答えは一つ」の先入観があります.『算数研究で授業が学校が変わる―授業改革から学校改革へ (算数授業観改革シリーズ)』や『算数好きにする教科書プラス坪田算数ワークブック2年生 (TEXT BOOK PLUS)』などを読めば,そうでもないのが見てとれるのですが.
- 間違わせないようにしています.間違いも,自分の主張が認められないことも,子ども・大人の区別なくしょっちゅう起こることなのですが.
- 乗法の意味として「乗法とは…」を語ります.そこには,児童が乗法を活用すること---状況に対して,乗法の式で書けるか判断できるようになることが,含まれます---という観点が出てきません.
関連:俺流・かけ算の順序ツアー-コメント,意識を大きく変えさせられる文書との出会い コメント,「どちらでもいい」は書く人ではなく書いてもらう人が言うこと-何じゃこの掲示板は,過去の誤記に目を閉ざす者は-Re:「1つ分の大きさ」が2つ見出せるとき,採点Q&A
8. 俺量の意図は,自己顕示以外に何かありますか?
一言でいえば「量は数と単位の2字組」の俺量ですが,あの考え方のメリットとして,単位を含む式(総合式)から,単位を取り除いた式への変換が,形式的な操作で行えます.
関連:俺数教協-論文解説&『かけ算には順序があるのか』に適用すると,『かけ算には順序があるのか』を読んだ-「1あたり量×いくら分」は認めるが,逆は認めない
9. 「演算決定」「形成的評価」は耳慣れないのですが,あなたの言葉で説明してもらえませんか?
はい.まず演算決定というのは,「どんなときにどんなルールが使えるかの判断」です.ただし,小学校の算数としては,加減乗除を含むルールを対象とします.
「どんなとき」は具体的な事例であり,一方,「どんなルール」のほうは,公式など,一般化されたものです.したがって,具体例に当てはめる作業というのも不可欠です.
《問い》に対して,「1つ分の大きさ」を3,「いくつ分」を5としたかけ算(1つ分の大きさ×いくつ分=全体の大きさ)であらわせると判断するのが,演算決定の一例です.
なお,私自身,演算決定という言葉を知ったのは最近ですが,そのような判断の必要性については,3月にボートで、かけ算の中で示しています.
次に,形成的評価を意訳しますと,「間違えたっていい」ということです.そして「最終的には,解けるようになろう」というのを,付け加えたいと思います.
ここで「解ける」とは,《問い》に対して「15こ」という“答え”を出すだけでなく,それまで学んできたことをもとに「3×5=15」という“式”を書くことを含みます.
ところで,「間違えたっていい」「最終的には,解けるようになろう」は,学習者サイドから見た形成的評価のとらえ方であり,教育者サイドからだと,「間違える子がそれなりにいたっていい」「間違いの原因をすぐに見きわめ,児童らに即,フィードバックする」が挙げられます.
《問い》を,この意味で(かけ算学習の途中段階で)出題し,「5×3=15」と書く児童が多かったときに,なぜそう書いてはいけないのか*7,どのように考え「3×5=15」と書くようにするかを,教師が説明するというのは,形成的評価という概念を理解しておけば自然な流れに見えるのです.
関連:もう少し,書きむしるか-演算決定の意味理解,形成的評価について,テストは教育の目的か手段か,世に数学の種は尽きまじ-形成的評価・見直し
10. 形成的評価を重視しているのは,なぜでしょうか?
診断的評価・形成的評価・総括的評価という評価の分類は,昭和30年代に教育学の分野で輸入され,訳書・解説書の出版などにより,国内で広まったと理解しています.
しばしば,「指導と評価の一体化」*8というキーワードと結びつきます.
また診断的評価と形成的評価においては,「はじめのうちは,間違ってもいいんだよ」というのを暗に意味しており,これが,教育界で受け入れられやすかった一つの理由であるように思います.
なお,総括的評価となるテストで,間違えたり,その時点でなお正しく理解していなかったといったとき,どうするかというと,そのテストはある意味で総括的評価だけれども,小学校の中,あるいは教育を受けている中では,形成的評価なのだというふうに,評価のスケールを変えることができます.『教育評価 (有斐閣双書)』をご覧ください.
ただし,教育学部の教員や文部省*9から,学校現場へと,いわば上からの押しつけで広まったというよりは,昭和20〜30年代の教育活動---数学教育協議会の活動も含まれます---を通じて,形成的評価ほかが受け入れられる素地ができていたのではないかと,推測しています.
当雑記の中で何度か形成的評価について言及しているのは,これと比べて「トランプ配り」が,現在の算数指導において(書籍・問題例に目を通す範囲で)ほとんど見られない,すなわち普及していないのは,なぜだろうかという疑問と,遠山啓がこれらの評価を積極的に活用して算数教育を発展させていたら,いま日本の教育はどうなっているんだろうというレバタラがあります.
関連:形成的評価について,テストは教育の目的か手段か,世に数学の種は尽きまじ-形成的評価・見直し,遠山啓エッセンス,2度読み
11. 「九イズタイムショッ九」なんて,馬鹿馬鹿しい.それに最後の問題は,二九,18文字でもいいのでは?
最後の問題は,その通りです.タイムショックのYouTube動画の中に,正解として表示されているのと違うのを解答したのに対し,正解扱い・字幕表示をしている例がありました.
九イズタイムショッ九に限らず,「5×3をめぐるお話」すべてにおいて,馬鹿馬鹿しいと感じていただけるのは,創作した者としてむしろ光栄なことです.
さて,「5×3をめぐるお話」として,さまざまなシーンで6話つくりましたが,共通しているのは「ルールを楽しむ」という点です.誰が楽しんでいるのかというと,各登場人物かもしれませんし,読まれたあなたかもしれません.
ルールは,それを根拠として議論をするためだけでなく,適切なものを選び(そしてたいてい,複数のルールをうまく組み合わせて),目の前の問題を解決するためのツールとしても,有効活用していきたいものです.
「ルールを楽しむ」の起源の一つであり,子の成長を見守る親の心情として,過去に書いたものを再掲します.
小学校の算数から,大学でするような研究へというのが,飛躍しているというのなら,例えば「大人に協力を求めるとき」というのは,どうでしょうか.そこでもまた,自分(たち)で計画し,それまで何をしてきたか,成功に向けて何をするつもりなのかを伝え,了承をもらうことになります.誰に・いつ・何を言うかを間違えると,失敗することもあるので,発言(やプロジェクト管理)は慎重に行います.手伝ってほしいと言われた大人は,やりたいという意欲を尊重し,大人・自分でないとできないことに関与するとともに,子ども(たち)であってもしてはいけないことは,注意したり阻止したりすることになるでしょう.成功をともに喜びたいですし,失敗したとしてもその努力をほめ,これからにつなげられるよう,新たな方向を示すという責務も,あると考えています.
子どもとの対話,大人との対話
12. この論争にあたり,あなたの指導経験や専門性を,どのように活用されたのでしょうか?
小学生の指導経験はありません.
専門性というか,研究や教育の経験を結びつけて書くことが最近多くなりました.
- 「ルールの衝突,優先順位」は,プログラミングの変数の有効範囲を連想して書きました.
- double-tree structureは,同月に研究発表したタイトルの一部です.
- 数と単位の2字組であらわそうという「俺量」は,時間の概念を含む情報を項,操作を書換え規則に対応づけた,項書換え系を用いたセキュリティの研究が,背景にあります.
- 答案から,児童はどのように考えるか,複数考えられる中でどれの可能性が高いかについて,PGPの鍵漏洩を結びつけて考察したことがあります.
- 対象を,日本語・数式・図・プログラムコードで表現することが大事と考え,雑記でも織り交ぜてリリースしています.
- 「教育はデザイン」という信念があります.制約をもとにより良いものを創り上げていくことを心がけています.それと別に,提案する人と採否を決める人が別にいるという環境をそのつど設定し,物事を考えています.
関連:末の子が小学校を卒業しても,私はかけ算のことを考えているのだろうか-かけ算とプログラミング,俺数教協-論文解説&『かけ算には順序があるのか』に適用すると,トランプ配りは教育上有害 *3,日本語・空間・数式・コード,割り算の筆算,もう少し,書きむしるか-配り方にこだわって(以下略),書くことは信じること-「教育はデザイン」とは?,技術のエッセンスは,設計,デザインについて,書いたこと,学生に向けて話したこと
13. あなたの書かれていることには,何か出典があるのでしょうか?
個別には,書籍,論文,Webページなどの出典を書くよう努めているので,ここでは,大きな考え方についての典拠を問われているのでしょうね.
1冊の書籍には依拠していません.この分野から見ればごくわずかの本と,Webの情報を読みながら,独自の視点(一言でいうと「デザイン」)を入れ,組み合わせたものです.
14. おすすめの本を教えてください.
- 作者: 高橋誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- 作者: 田中博史,教師の“知恵”.net
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算数好きにする教科書プラス坪田算数ワークブック2年生 (TEXT BOOK PLUS)
- 作者: 坪田耕三
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- 作者: 新算数教育研究会
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- 作者: 文部科学省,文科省=
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- 作者: 志水廣
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- 金田茂裕: 小学2年生の乗法場面に関する理解, 東洋大学文学部紀要, No.62, pp.39-47 (2008).
も手に入れて,読んでみてください.学術的にはこのように書くのかというのを,知ることができます.
関連:「どちらでもいい」は書く人ではなく書いてもらう人が言うこと-何じゃこの掲示板は,折り込みチラシに書籍にWebに-独習・かけ算の順序,『かけ算には順序があるのか』を読んだ-修正版:独習・かけ算の順序,書くことは信じること-なぜ問題集?,書籍から学んだ,かけ算の順序,もう少し,書きむしるか-カード式配り方,『かけ算には順序があるのか』を読んだ-交換法則を学べばどちらでもよい
15. おすすめのWebページを教えてください.
当雑記の主張と対立する中で,有名なところをリンクしておきます.
- かけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきである
- コメント欄 0代目 いっぱいなので書き込めません。 算数「かけ算の順序」を中心に数学教育を考える/ウェブリブログ
- メタメタの日
- TETRA'S MATH
ほかに「kikulog」と「mixi」で,情報交換をしている場があるそうです.たまにそこからアクセスはありますが,私自身は見ないようにしていますので,おすすめできるかどうかは分かりません.
当雑記の中では,何はなくとも
です.タイトルから,気になるのをご覧ください.ただし,「かけ算の順序」という議論に乗っかり「順序に基づき指導することは適切である」という趣旨のことを何度か書いているのですが,そこは例えば「乗法の意味に基づく(適切な)指導である」といった表現に読み替えてください.
*1:引用部でないところについて,書いておくと,《BA型》を通じた,乗法の意味理解の調査は,昭和44年に見られます(花村郁雄: かけ算の意味と方法 -つまずき事例- , 整数の計算, p.117).そのような調査を実施するより前から,かけ算で式を書くときの左と右に何を書くべきかについて,注意が払われていたことが推測できます.それより前,昭和40年ごろの出題例と論争は,『算数・数学教育つれづれ草』p.46で知ることができます.
*2:高橋誠『かけ算には順序があるのか』(岩波書店)を読んで考えたこと | TETRA'S MATHでも,疑問が呈されています.
*3:3km/(km/時)=3時間を確認した上で,次に,そのような考え方が小学校の算数科でどのように役立てられるかの検討が必要です.「そう書くことができる」という主張であれば,「そんな書き方をあえてしなくても,問題は解ける」わけです.
*4:教育的配慮というよりは,数学的な発想です.
*5:見解の変更というよりは補強です.単位付きの乗法において,交換法則が利用できないという前提を設けることもできる,というだけの話ですので.
*6:過去に「代数的構造」と書いたことがあるのですが,この用語は適切ではなさそうです.
*7:その場の児童だけでなく,家に持ち帰ったときの親からも,文句・反論が予想されるので,それらに答えられるよう準備が必要です.どんな準備? …当雑記の本日と前日のエントリのうち主要部を,算数指導に携わっている先生方が知らないはずはない,と考えています.
*8:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku/faq/001.htm
*9:『教育評価法ハンドブック―教科学習の形成的評価と総括的評価』の,昭和58年12版発行の本を,大学図書館で読んだのですが,付編として文部省の人が記事を寄せています.