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学生評価アンケートに設問追加

そろそろ,学生評価アンケートの時期になり,私の授業のWebページでも,リンクを張りました.
今期から,そのアンケートの中に一つ,設問が追加されています.それは,「担当者の熱意が感じられる授業であったか」です.いわゆる教養科目のアンケートで,追加されたからとのこと.
そういえば昨年度のアンケート実施後だったか,学科内の委員による意見聴取があって,その際,「設問・課題が適切であったか」という項目を入れられないかと,メールを送ったことがあります.
「設問」には,試験のほか,小テスト,それと授業中の発問*1が含まれます.「課題」は,通常の講義であればレポート,また実験・演習における課題内容を,念頭に置いています.
その背景にあるのは,自分のふだんの講義と演習です.そこでは大小さまざまな問いや課題を与えています.
設問を作る際,学生がこちらの思惑どおりに思考・行動してくれるか,またその一方で,皆が同じ行動や解答に至ることにはならないかを,検討します.その問いに対して思いをめぐらせ手を動かすという経験が,あとの回の授業,また科目を離れて活用できるかどうかというのも,欠かせません.
問いによっては,解答を集計します.正解率を算出し,そこから,設問や授業そのものの内容の改善を図っていきます.そういうのとは別ルートといいますか,授業終了時の,科目の教員とは違うところからのアンケート(各選択肢の回答者数,平均値,自由記述)を通じて,出題に対する学生の考えを知り,授業改善に生かしたいという思いがあります.
なのですが,この提案はどうやら,採用されそうにありません.それを裏付けるのが,今期のアンケート回答期間の期限が,試験期間よりも前になっている点です.
試験が終われば夏休み(後期なら春休み).現状でも回収率が決して高いとは言えないアンケートで,試験後に回答してくださいと指示したところで,受けた授業のことを思い出しながら,回答しようという学生は,ますます少なくなりそうです.授業の記憶も薄れていきますし.
そう考えれば,試験直前までの授業内容をアンケートの対象としている現状は,まあ仕方ありません.

連想すること

本学では過去10年あまり授業評価アンケートを実施してきた。
そのデータを統計的に処理した結果、個別評価の数値と総合評価の数値のあいだにまったく相関のない設問が一つだけあることがわかった。
それは「シラバスの内容と実際の授業の内容は一致していましたか?」という設問である。
この問いに学生たちは5段階の評価を下す。
授業そのものへの総合評価の数値とシラバス評価の数値を比較したところ、この2つの数値の間には統計的には相関がないことがわかった。
それ以外の項目、「板書がきれいか」とか「教師は時間を守るか」とか「予復習をするか」といった設問と授業の総合評価の間には弱い連関がある。
けれども、シラバスと総合評価の間には何の関係もなかったのである。

会議と書類の大学 - 内田樹の研究室

まず心構えとしては,「感想を書いてください」と最後に言われても書けるよう,よく聴き,メモをとることです.メモは整理されていなくてもかまいません.キーワードや,講演者/教員の発した「変なこと」でもかまいません.メモがあるとないとでは,聞いた内容を見直すときに差が出ます.

一言感想の書き方 - わさっき

pp.66-67では,大学の授業評価とその改善策が書かれています.明示されていませんが,学生による評価に関して,「大学・部局が行う一斉型(どの科目にも同じように答える)の授業評価アンケート」と「授業の中で行うキメの細かいアンケート」をうまく併用することが,大切なのではないかなと思います.

個人攻撃の罠 - わさっき

毎回の授業で,「授業メモ」を配り,解答/回答してもらっています.多くは授業の確認テストなので「解答」してもらうのですが,ちょくちょくアンケートを実施していて,そこに関しては「回答」となります.
授業メモの用紙は,A4用紙を横方向に切って4分割したものです.学生番号,氏名,日付と,小テストの答案and/or授業の感想が書けるようになっています.

授業メモ - わさっき

正解を見つけるのではなく,児童から「率直な意見を求める」のなら,実際にはもっと多様な意見があったはずで,それを2対31と単純化していいのかについては,立ち止まって考えるべきなのです.こういう賛否アンケートが,結果として,否定的な意見を浮かび上がらせるために実施されることになりやすいというのを,事件の外側にいる人だからこそ,冷静に理解しておかないといけません.

「セクハラサイコロ」再考 - わさっき