夜8時過ぎ.
「ママは?」
「あん? どした」
「ママは〜?」
「あー,買い物に行ったとか言うてたかなあ」
野暮な解説:ママは,うえの子のおむつが切れたので,買いに行っていました.うえの子に気づかれないように,出かけていたのでした.パパも事情を理解の上で,うえの子と遊んでいました.
「まあ,待ってたらじき,戻ってくるよ」
「ママ〜〜!!」
「あれれ,泣き出した.せやなあ,車んとこまで,行くか」
「いく!」
「お前,泣き止むの早いなあ.つうか,うそ泣きかよ」
「…」
「はいはい行こ行こ.肩車な」
「ガレージに着いたんやが…な,車,ないやろ」
「…」
「道路のほうでも,見てよか.….あの車? あ,ちゃうかったか」
「あれ」
「うーん,あれは,軽やな.あの車では,一家みんな乗られへんゎ」
「…おなか,すいた」
「おっと…お腹,すいたんか」
「すいた」
「カレーライス,食べたんちゃうかったか」
「かれーらいす,たべやんかった」
「まてまて…『やん』を使い出したか」
再度野暮な解説:和歌山弁では「たべやんかった」,大阪弁では「たべへんかった」,敬語表現としては「口にすることができませんでした」でしょうか.
「…」
「せやなあ.次の信号が赤に変わるまでに,ママの車が来ぇへんかったら,おうちに帰ろか.そういえば,テーブルに,お前用のカレーライスの残りがあったかな.ええか?」
「ええ」
「ええ,ね….おっ,あの車体は? んでライト,こっちに向いたぞ,ママや!」
最後に野暮な解説:初なんでやねんのある意味続きです.