わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

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したがって,
〈文書〉は,作成者の人生を決定づけるカギである.
〈文書〉は,他者の知的活動の源泉である.
と言っても過言ではない.さらに,その内容はもちろんのこと,
〈文書〉は,「形式(form)」と「様式(style)」が大切である.
(『科学技術系のライティング技法―理系文・実用文・仕事文の書き方・まとめ方』, p.2)

ほー,はー,まーなるほどです.

(略)そのような観点において,個人の能力を備えるための必要な条件は以下のようなことになろう:
1. さまざまな情報・知識・知恵の理解と獲得
2. 1.の柔軟な更新性・対応性・応用性の獲得
3. 1.〜2.の論理的な表現方法の獲得
4. 1.〜3.を基とした,的確な判断と迅速な実践能力の獲得
(p.3)

うへーです.
まず形式面で言うと,数字とピリオドを使った箇条書きにおいて,そのピリオドは文の終わりを表します.なので番号を参照したいときは,「1の柔軟な」のように,数字だけを書くのが自然です.
数と区別するためには,箇条書きの番号をカッコ書きにするか,丸囲み*1にします.番号すなわちenumerate型の箇条書きにかえて,ラベルを用いたdescription型の箇条書きのほうがいいか,検討することもあります.
次に内容面で,「1.の柔軟な更新性・対応性・応用性の獲得」とある中の「1.」は何なのかが,気になってきます.単純に「1.=さまざまな情報・知識・知恵の理解と獲得」として,当てはめてみると,「さまざまな情報・知識・知恵の理解と獲得の柔軟な更新性・対応性・応用性の獲得」となり,訳が分かりません.
更新できること,対応づけられること,応用できることの対象は,「情報・知識・知恵」と考えるのがよさそうです.なので「(理解・獲得した*2)さまざまな情報・知識・知恵に対して,その柔軟な更新性・対応性・応用性の獲得」とすることで,なんとか意味が通るようになりましたが,上記箇条書きの1と2から,これを得るのは少々手間です.
箇条書きの3も同様で,理解したこと,獲得したことを,論理的に表現するのが重要とはならないはずです.ここでも,「1.〜2.」は2のつ項目そのものではなく,抽出や加工をする必要があるように見えます.
しかし最後の項目は,「を基とした*3」のおかげで,単純な当てはめで理解ができます.
…といったことを考えさせられまして,ここで,著者が読者を暗に選別しているのかと思ったものです.http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20110131/1296413146に事例を一つ,追加すべきか?
などと疑問を抱きつつも,読み進めています.その後は,上のようなツッコミどころに当たっていません.

*1:英文を書くときには使いません.

*2:個人的には,サ変名詞を2つ並べて中黒でつなぎ,直後に「する」または「した」と書くのを,気味悪く思っています.罪悪感を覚えながらも,日常それなりに使用しているのですが.

*3:「基にした」かなあと思ってGoogleにかけると,件数は確かに「基にした」のほうが1桁多いのですが,「基とした」の上位に書名や論文題目が出てくるので,間違いというわけではなさそうです.