「どっちかちゅうと」
「どしたん」
「したの子のほうが,よおはいはいするんかなあ」
「せやで」
「んでな…なんか,物に向かって突き進んでるような」
「可愛いやろ」
「まあなあ…と思たら,したの子,居間から出たがってら」
「出たら,戻しといてね」
「分かったが…あれ,体を止めたな.スリッパが気になるんか」
「えっと,七十にして,心の欲する所に従えども,矩を踰えず,やったかいな…」
「この子からすれば,七か月にして,心の欲する所に従えども,部屋をでることはない,ってか」
「あ,敷居を越えよった」
野暮な解説をいくつか.
- 論語の「七十にして」以降の訓読には,主に2パターンあるらしい.歴史的仮名遣いも含めるとバリエーション多数.
- 居間は和室で,その隣室や廊下はみな板敷き.念のため新築物語 和室の用語と構造
- 本日でちょうど生後7か月.さきの子・あとの子とも,無邪気なものです.うえの子は,優しいお姉ちゃんになってくれたな…と安心していると,衝動的に頭をぺしぺししたり,首から抱えて持ち上げたりしようとするので,まだ目が離せません.