わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

これから先はどっちでもいいです→強制しなくてもよい

(略)少なくとも、小学校を卒業するまでには、「今まで教室のルールとしてかけ算の順序を決めてきたけど、これから先はどっちでもいいです」と解放してくれない困る。
というのが今最低限、お願いしたいこと。

http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/2011/09/post_56e9.html

その意に沿うような説明をしている本があります.

ところで、「オリンピックの400メートルリレー」や「このDVDは16倍速で記録できる」、「xのk倍は」の式は、どのように表わされるであろうか。それぞれ、一般的には「4×100mリレー」、「16×」、「kx」と表される。被乗数と乗数の位置が教科書の書き方と逆になっていることに気付くであろう。この例から分かるように、乗法では、数の位置ではなく、数が意味する内容に注目して、どの数が1つ分の数であるか、いくつ分はどの数かをしっかりと読み取ることが大切である。第2学年や第3学年では、読み取った数を、「1つ分の数×いくつ分=全体の数」と表現できることが重要であり、逆に、この立式ができているかで、数の読み取りができているかを判断できる。しかし、高学年になり、乗法では交換法則が成り立つことや外国での立式を知り、数の意味をしっかり理解できていれば、必ずしも第2学年で学んだ順序で立式することを強制しなくてもよい。
(『小学校指導法 算数 (教科指導法シリーズ)』pp.91-92)

個人的には,乗法の意味の拡張のところで,被乗数(基準にする大きさ)と乗数(割合)を意識した授業が望まれますが,その段階での出題は,《BA型》といったものよりは*1,「割合に当たる大きさ」を交えて*2,かけ算かわり算かを問うのだろうなと思っています.
平成22年度の全国学力テストのB問題の採点にあたり「乗数と被乗数を入れ替えた式なども許容する」となっていることを教えてもらった一方で,被乗数と乗数が逆だと不正解としているものについては,4年生向けに出題された事例があるのを,把握しています*3

*1:ただし皆無というわけではなく,平成22年度の全国学力テストのA問題の中に,「8mの重さが4kgの棒があります。この棒の1mの重さは何kgですか」というのがあります.わり算ですが.

*2:「整数や小数の乗法の意味は,Bを「基準にする大きさ」,Pを「割合」,Aを「割合に当たる大きさ」とするとき,B×P=Aと表せる。」(《算数解説》p.166).小数の除法の意味はその次のページ.「割合に当たる大きさ」という言葉は何とも紛らわしいのですが,大人モードでよければ,A:amount; B:base; P:proportionとするのが簡便でしょう.

*3:Webからだと,「1mの重さが3kgの鉄のぼうがあります。この鉄のぼう12mの重さは何kgでしょう。」http://www.sokyoken.or.jp/kanjikeisan/pdf/4nen.pdf