「パパ,ミルクの時間やで〜」
「あーはいはい」
「すでにうえの子は,カーテンに隠れとんねんな」
「せやで」
「まあ一人遊びしてくれれたらええやろ.(ミルクを飲んでいる,あとの子の目を見ながら)あとの子よ…今日はな,パパな」
「何語りかけてんのん」
「久しぶりにスーツを着てやな」
「…」
「ずっこけてくるからな」
「ずっこけたら,あかんやん」
「まあそうなんやが.しかし雨が気になるなあ」
「ずっこけるのは,あたし!!」
「そこで登場かいな」
「すごいすごい!」
「は? 何がや」
「いやあこの子,パパのボケに,うまいことボケで返すやないの!」
「そういう喜び方をされてもなあ」
「ええねん」
「まあええか.んでや,うえの子よ,ママんとこ行くか?」
「行く!」
うえの子がベッドの上を歩いていると,あとの子を乗せてあぐらをかいていた,パパの足先でつまずき,前のめりに倒れました.幸いにもベッドの上ということで,怪我も泣き声もなく…
「ずっこけてるやん! かわいいやないの!!」
「お前,それが『ずっこける』やぞ.身をもって,わかったな」