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答案提出心得

さて,いい時間になりましたので,スライドを切り替えて余談タイムです.これから,答案提出の心得・マナーについて,お話ししてみたいと思います.
何かというと,本学の授業の試験では,開始から30分を過ぎると,遅刻を認めないかわりに,答案が書けただとか,もうダメ・ギブアップ・これ以上書けないだとかになったら,提出して,部屋を出ることができるという件です.
みなさんも1年前期の科目で,そのことを経験したと思います.再履修の人は,もっとたくさんあるはずです.
大学生のあいだ,試験はほぼ,そのルールです.ですが,小中高,そして大学受験や資格試験では,そのようなルールではなく,たぶん,試験終了まで部屋にいてなさい,というルールだったと思います.そして,最後の最後まで答案を見直しなさいと,教わったんじゃないでしょうか.
大学生の間とはいえ,今後もたくさん,試験を受け,その何割かで,制限時間よりも前に提出することになるでしょうから,今のうちに,「そこで何か,できないか」と考えてほしいわけです.


もう少し,イメージしやすい状況を出しましょう…
答案提出後,席に戻りますか? 戻らないですか?
もっと具体的に言ったほうがいいかな.答案を提出する人には,2パターンがあります.
一つめは(右手を持ち上げ,人差し指だけ立てる),試験室の前まで,私がいるこの辺ですね,に,答案用紙だけを持ってきます.そして自分の席に戻り,机の上に置いていたものをカバンに入れ,部屋を出る,という手順です.
もう一つは(右手を持ち上げ,人差し指と中指を立てる),立ち上がったら,答案用紙以外を,カバンに入れちゃいます.そしてすべてを持って,答案用紙だけを提出して,席に戻ることなく,部屋を出る,という手順です.
…と説明しましたが,本日言いたいのは,そのどちらがいいだとか,一方をおすすめしますよとか,ではありません.
どちらを選ぶのでもいいのです.ですが,できるだけ,周囲・室内にいる人には迷惑をかけないで,行動してほしいのです.


ちょっと考えてみてください.自分が必死に答えを書いていて,そんなときにすぐ前の人が立ち上がったら,どうなるかと.
間違いなく,そこに意識がいってしまいます.集中力がとぎれます.気が散る,と言ってもいいでしょう.試験中ですので,そのことが刺激になった,新たなアイデアを思いついた,なんてことはまずありません.
一方,教員の側でも,答案を持って来るんだなと,ちょっと身構えます.不正行為はないか,他の学生に,答案を見せるようなことはないかと,目を光らせることになります.
さて改めて,あなたが,立ち上がって答案を提出する人になってください.
時間前の提出のために立ち上がること,そのものが,迷惑だとは一概に言えません.むしろ,試験を受けることと同様に,解答者の権利であるとも言えます.繰り返しますが,提出して退出していいというルールに限ってです.
しかし,無用な迷惑,不審な目を避けるような行動は,できるんじゃないか,教員からの目からすると,スマートに行動してほしいなあと,常々感じているわけです.


行動について,具体的なことを挙げてみます.
まず,立ち上がったり,どちら派であれカバンにモノを入れたりすると,物音が出ます.あと,冬場の試験だと,上の服だとかが周りの人に触れてしまうかもしれませんね.
それらの迷惑を,最小限にすることを,余裕のある今,考えてみればいいんです.
分かりますかね? まず,試験室に,大きな物音をするだとか,周囲に当たってしまいそうなものを,持ち込まないようにしたいものです.試験前からの心構えとでもいいましょうか.
服に関しては,試験用の勝負服を用意してみたらどうでしょうか.迷惑をかけないことが条件です.不正行為の疑惑を持たれないようにする,というのも必要で,小さな文字がたくさん縫い込まれているものは,避けたいところですね.
もう一つ,簡単にできることがあります.今度は試験の中だけです.立ち上がる前に,ちょっと意識することです.バタンと音がするような,部屋のみんながあなたを注目するような立ち上がり方を,試験中にやっていいものかを…って,ダメですよね.
忍者のように音を立てるな,とは言いませんが,部屋にはまだ解答者がいるんだという,当たり前のことに気づき…せっかく時間前に提出するんですから…冷静になってほしいわけです.
次は「しゃべり」についてです.
不正行為の防止,そしてみなさんにとっても,不正行為の疑いを持たれないようにする,という点からは,退室まで無言であることは大原則です.とはいえ,いるんですよね,試験時間終了となって,答案を手にして,さすがに鉛筆は手放していますが,どの問題の答えがどうなっただとか周りに聞くの.あれ,一番厳しいとらえ方をすると,それだけで不正行為になってしまいますんで,しないように! …今後,試験の終了時には,私の今の顔と声を,思い出してください.
繰り返しますが,途中提出・退室にせよ,時間が来て提出にせよ,試験室を出るまでは,何も言ってはいけません.
それと,部屋を出てすぐ,友達ときゃあきゃあ言うのも,ダメです.壁一枚隔てた部屋で,試験をしています.壁や,出入口のドアを通じて,けっこう,音が入り込んでくるのです.


そもそも,不正行為を除けば,試験で部屋を出る際にちょっとくらい,がちゃがちゃ,やいのやいのしたりしても,それが減点になることはありません.
ですが,就職のための筆記試験や面接なんかでは,どうでしょうか? 面接はすべてが見られますので,いたずらにうるさい挙動は,避けられない身体的な事情がない限り,マイナスに働くでしょう.筆記試験の振る舞いも,同じです.
なので,こういう考え方ができるのではないかと思います.そういった,大学の外の試験においても,周囲の人や試験監督に悪い印象を与えないよう,ときには良い印象さえ見せるような,クールな振る舞いとは何なのかを考えてみる,いい機会になるのではないでしょうか…大学の試験というのが.
もちろん,大学の試験が就職の試験の前段だというのは,ナンセンスです.
むしろ,あらゆるシーンのあらゆる行動において,自分の行動が周囲にどのような影響を与えるだろうかを,行動する前に意識して,そして実際にアクションをとってほしいのです.
一言でいうと「配慮」です.配慮のできる人になってください.解答を終え,さっさと部屋に出たいという衝動にかられたときにもです.

何これ

今週月曜日の授業中の余談の2番目です.
「試験」を念頭に置いて,話しをしたのですが,きっかけは前の週の木曜日でした.出張をされる先生の代理授業で,中間の演習課題の監督をしました.1年後期向けの科目で,その受講者の大部分は,私の科目の受講者でもあります.
答案用紙は回収することになっていて,試験ではない(じっくり考えてほしい)ので開始60分で提出可としたところ,そこから5分ほど,室内が,今までに見たことがないくらいに,ごった返しました.そして解答者は5分の1ほどになりました.
中間試験ではない,言い換えるとこの答案が成績の一部になるわけではないけれど,解答中は他の学生との会話をしてはならないというのが,問題用紙に書かれていました.ちなみに教科書・ノートは参照可でした.
お話しというよりは「お説教」になってしまったのですが,その効果は,授業終了時の小テストで,見事に発揮されました…提出前にみんな騒ぐ! 俺のかけた手間は,何だったんだ!!