わさっきhb

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やったことベース,やるべきことベース

中身で質問したかったのは,だいたい終わりましたので,発表方法について,アドバイスをしておきたいと思います.
スライドの流れ全体を振り返ってみると…課題説明,全体のER図のあと,主要なテーブルごとにスライドを設けて説明する,という形になっていますね.
しかしそれだと,このテーブル構成で,本当に課題が解けているのか,不安があります.「これでいいのか?」ですね.このあとデータベースを構築して実際に運用して,不具合は出ないのかということについて,保証できるものが見当たりません.
この不安要素を,少しでも取り除くには,今から言う流れにしてみることです.
最初は,与えられた課題の説明なのですが,次に,その課題で解決しないといけない,主要な項目を,整理するのです.キーワードと文のセットとします.
それから解法,すなわちテーブル構成やら詳細を見せていきます.そしてその中で,「解決すべき」と宣言したことについて,どのようにして解決しているのかを,きちんと文字にしておきます.
一通りの詳細説明のあとで,振り返ってみてあのキーワードの件はどこで,この件はどうやって解決を試みたかの説明を,スライド1枚で入れることも,あっていいでしょう.
言ってみれば,みなさんの発表内容は「やったことベース」だったのに対し,今私が言ったのは「やるべきことベース」です.
「やるべきこと」から見て,関連の薄い情報は,スライドに入れないことにします.そうして,話したい内容に優先順位をつけることができます.
もちろん,この方法は万能ではなく,欠点もあります.
キーワードと文のセットのところ,すなわち自分らなりの問題設定のところも,ツッコミの対象になります.そこが根本的に間違っていたり,抜けがあったりすると,実施内容は作り直しになることさえあります.
「やったこと」だけでなく「やるべきこと」についても,細心の注意を払って,発表準備をする必要があるわけです.
とはいえ,やるべきことベースの考え方やスライド構成は,ぜひ一度,試してほしいと思っています.というのも,卒業研究や,学外で発表するときにも,役に立つからです.
今回のゼミで,先生から与えられたお題は,「研究の背景」に対応します.漠然と背景を言うだけでなく,研究の対象を限定し,明確にすることも,求められます.
そして次に,やるべきことを示します.工学においては,その対象が「満たすべき要件」を提示することと言えます.
その要件を達成するよう,ものづくりをし,評価を行ったあと,確かに満たすべき要件を満たしていることの確認は,「考察」となります.
ちなみに,スライドを抜本的に変えよと言っているわけではないことにも,注意してくださいね.
はじめは「やったことベース」で書いていって,いいのです.ある程度できてきてから,聞き手のことを意識しましょう.なのです.
発表を通じてどのような認識を持ってほしいかをよく考え,前に「やるべきこと」を,後ろに「やるべきことを達成できていること」を,書き加えるだけでも,内容が伝わりやすくなるのかなと,思ったのでした.

何これ

1か月ほど前の3年ゼミ(DBゼミ)で話したことを文章化しました.
前の日曜,学生の学会発表でも,早い段階で要件を明確にするよう,指導しました.