わさっきhb

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アレイ図ふたたび

デカノミアル

「かけ算」で書いてきたことを英文化したエントリが,予想もしていなかったところで,リンクされていました.
もともとリンクされていたところは,現在,内容を一新しています.ですがhttp://pinterest.com/search/?q=decanomialのページで,ブラウザの検索機能で「takeh」を検索すると,見つかります.
このサイトでは,Web上の画像を「ピン(pin)」で留めて記録できる仕組みになっているようです.コメントもできそうですが,要ログイン(そして招待制)です.「repin」というのは,リツイートのようなものでしょうか.
しかしまあ,そこの画像と,自分の書いたのとは,ずいぶんと開きがあります.
接点となるのは,同一物体の長方形的配列,すなわち「アレイ図(array diagram)」です.これがdecanomialという教具に結びつけられたわけですね.
decanomialについて,いろいろ調べてみました.

  • 1×1から10×10までの大きさを,手で触れて(並べたりして)確かめることのできる教具です.
  • すべてをうまく配置すると,55×55の正方形ができます.
  • 「ボード」でできたものと,「ビーズ」でできたものがあります.「ボード」のほうが,Webで多く見つかります.
    • ボードの場合,長辺の長さで色分けられています.例えば,5×3と3×5*1と5×5は同じ色ですが,6×5や6×5とは異なる色になります.55×55の正方形になるよう配置したら,“くの字”状に同じ色が並びます.
    • ビーズの場合,色ごとに長さの決まった紐状のものとなっており,それを並べることで,1×1から10×10までの長方形を構成します.その際,行ごとに同じ色のビーズ(の長方形)となります.5×3と3×5が区別されます.
  • 「ボード」にかえて,布で作られたものもあります.正方形のものだけを取り出して,積み重ねるという使い方もあります.
  • モンテッソーリ教育*2で使用される,教具の一つです.

参考にしたページなどを,残しておきます.

国内の算数教育の中で,これに最も近いのは,アレイ図(7.教具)で取り上げた,「実物大九九カード」になりそうです.1枚のカードに,丸形のシールを貼り付けて作る,アレイ図です.同じ列は同じ色のシールとすることで,「一つ分の大きさ」が分かりやすくなっています.カードを切断することで,分配法則を理解するのにも役立ちます.

Array & Decanomial Drawer

奮起して,Rubyスクリプトを書きました.アレイ(array)とデカノミアル(decanomial)の画像生成(drawer),ということで頭文字を取ってadd.rbというファイル名にしました.
ソースと生成画像は,GitHub - takehiko/add: Array & Decanomial Drawerより参照・取得できます.gitの準備をしてcloneして,というのも大変ですので,画像にリンクしておきます.

アレイ図でいう「ドット」の形状が,4種類あります.boxは塗りつぶしなしの正方形,circleは塗りつぶしありの円,rectangleは塗りつぶしありの正方形*3,ringは塗りつぶしなしの円です.decanomial-rectangle.pngが,デカノミアルのよく見られる配置に近いものとなっています.
Cygwin + Ruby 1.9.3と,Ubuntu + Ruby 1.8.7で動作確認をしています.形状などを変えるには,コマンドライン引数ではなく,今のところスクリプトファイルを修正する必要があります.
動かすには,Ruby処理系のほかに,ImageMagickのconvertコマンドが必要です.内部では,パラメータをもとにconvertコマンドを生成し,順に実行しています.RMagickの利用,SVGなど他フォーマットの描画,CGIによる画像生成は,今後の課題です.
(最終更新日時:Tue May 15 21:53:46 2012ごろ)

*1:一般に,a×bとb×aは同じ色かつ同じ大きさです.

*2:wikipedia:モンテッソーリ教育の中に,「国際モンテッソーリ協会(AMI)」という表記があるのですが,数学教育協議会もAMIなのですよね….

*3:次のバージョンで,squareに変更します.