わさっきhb

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情報セキュリティの三大要素で小テスト

それでは残り15分ほどで,小テストの問題に取り組んでください.
出題は,スクリーンに示したとおりです.
「この部屋にあるもの」と「機密性・完全性・可用性のいずれか」を結びつけて,標題をつけ,100字以上の文章を作成してください.
答案用紙は,レポート用紙・ルーズリーフなど,各自で用意してください.なければ友達どうしで融通するか,そういうのもアレでしたら,こちらで調整しますので申し出てください.
書いてもらう必要があるのは,これも画面に出していますが,科目名,日付,学生番号,氏名,標題,本文です.学生番号と氏名を書き忘れたら,どんなに良い答案でも,あなたの点数にはなりませんので,注意しましょう.
「標題」というのが,分かりにくいかもしれませんので,一つ,例も書いています.「学生証の可用性について」です.いつも,学生証を持っていますよね? みなさんは,「学生証」のところを,別のものに置き換えてください.「可用性」は「機密性・完全性・可用性」から一つを選んでください.
学生証を例に挙げたとおり,「この部屋にあるもの」については,今あなたが持っている物でもかまいません.
授業終了の時間までに,書いて提出してください.提出すれば,退室してくれてかまいません.


答案を読ませてもらって,今回の授業に関する点数をつけます.例年,だいたい,こんな基準でやっているよというのを,お見せします(次のスライドへ).
まず答案をざっと見て,A,B,C,D,Xの5つのどれかをつけます.それから,全体を読み直して微調整を図り,学期末の成績評価の段階で,数値化をしています.
A,B,C,D,Xが具体的に何かですが…まずAは,「課題の趣旨に合致し,標題・文章の少なくとも一方が優れている」です.これを目指してください.
Bは「課題の趣旨に合致し,平均的な標題・文章である」です.
Cは「答案に不備がある」です.例を挙げていますが,「標題がないか不適切」なとき,「標題と文章が対応していない」とき,「100字未満」のときは,Cになると思ってください.
それより下のDとXは,そういう答案が来ると困るのですが,まあそうならないでねというつもりで,書いています.Dは「課題の趣旨に合っていない」で,Xは「白紙の答案」です.
「優れている」「平均的」については,そんなに気にしなくてもかまいません.授業の内容,とくに情報セキュリティの三大要素を踏まえ,自分の問題,身近な問題として考えた上で,条件に合う答案を書いてくれていれば,AかBになります.Aというのは,読ませてもらって「お,これは他の学生にない」とか「しっかり書けているな」と思ったときに,Aとします.
(スライドを戻して)といったことに注意して,答案を書いていってください.


あー,はい,質問ですね.えっと,「ナニナニの機密性・完全性・可用性について」という標題にして,3つの性質すべてを書くのはいいか,ですね…
全体にアナウンスしたいと思います.3つの性質すべてを書かないようにしてください.「機密性・完全性・可用性のいずれか」,一つに絞ってください.

なにこれ

5月7日,ゴールデンウィーク明け1限の,1年生向け持ち回り授業で話した内容です.過去には,2011年度2009年度2008年度2007年度といった内容で,授業中に話したり,課題を課したりしてきました.
私の担当回の小テストは,ここ数年,レポートではなく,授業中に書いてもらっています.授業と出題の内容については,pptxファイルをPDF化して,すでに公開しています.
今年度は,AからXまでの評価指標を用意しておき,受講生に提示しました.教育評価,2冊目のエントリを書きながら考えたことも,取り入れています.
ただし,今回の指標をルーブリックと言うには,違和感もあります.一般にルーブリックにする際,「平均的」に代表される,相対評価的な語句は使用されないからです*1
一つ補足ですが,「平均に届かない」答案はCなのかというと,結果的にはそうなりますが,理由は「平均に届かない」からではなく,そういった答案は,Cのところで挙げた不備の条件のいずれかに当てはまると考えているからです.
ところで授業のほう,解答はじめと言ったあとに,質問が何人か(5人だったか)から出て驚きました.それから,明示した基準をもとに採点をしてみると,例年よりもAをつけたのが少なめかなという印象もあります.
(最終更新日時:Sat May 26 06:10:03 2012ごろ)

*1:とはいえ,他の答案との比較照合を一切することなく,ABCなどの判定をしなければならない,ということはないでしょう.まず,丸写し(コピペ)答案を見抜かないといけません.また同時期や過去の答案(採点時の印象や記憶)と比較して,個別あるいは全体として優劣を判断し,そのもとで調整をすることも,あっておかしくないわけです.