「双子ンな」
「パン,食べた?」
「おう,食べさしたんやけどやな…」
「何かあったん?」
「いやまあ,いつものようにイスに座らせて,ベルトしてやな…」
「…」
「あの子らに背を向けて,スティックパンを1本ずつ取り出してな…」
「…」
「ほいで,あの子らンとこへ持って行ったら,2人ともな…」
「…」
「チラシ広げて,両手で持って目ぇ通してんやで!」
「えーこの子らそんなことすんのん!!」
「いっちょまえやぞ!」
「かわいいやないの」
「ちなみに,あとの子は車の広告でやな…」
「…」
「でっかい車の写真もあるんやが,そばのこまごましたところを,指でさしてんねんな」
「いろいろ指さしたいんよ」
なぜ背を向けて,スティックパンを取り出したのかというと,パンの袋がさきの子・あとの子を見た瞬間に,興奮するというかせがむからなのでした.