かける数が1あたりでは,いわゆる1あたり量(内包量)が乗数に来るような乗法について,1980年代に書かれたVergnaudの解説*1を根拠としていました.
1970年代の,遠山・銀林の著書にないかな…と大学図書館に立ち寄って,探してみると,あっさり見つかりました.

- 作者: 銀林浩
- 出版社/メーカー: 国土社
- 発売日: 1980/07
- メディア: 単行本
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その章(講)の最後のところに,《参考》として,『量の世界―構造主義的分析 (1975年) (教育文庫〈8〉)』の145ページを挙げています.そこはかつて読んだはず…と見直して,違いに気づきました.
銀林の『量の世界』も,Vergnaudも,「量の次元を変える関数」(『こうすれば算数数学がわかる』p.142)を指摘しているという点では同じです.
何が違うのかというと,結局のところ,表記です.『量の世界』p.146に見られるのは,次のとおりで:


Vergnaudのほうは,こう書かれています(p.130):

「密度ρ」「発熱量m」「速度v」の左に「×」がついているか,Vergnaudの書いた関係の中で「×a」が「a×」になっているかしていたら,自分の「かける数が1あたり」に対する認識も,また異なっていたわけなのですが.
*1:Vergnaud, G.: Multiplicative Structures, Acquisition of mathematics concepts and processes, Academic Press, pp.127-174 (1983). 英語文献の取得や読解に不安のある方は,『算数・数学科重要用語300の基礎知識』のp.187をご覧ください.