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白帯,茶帯,黒帯

プログラマのためのサバイバルマニュアル

プログラマのためのサバイバルマニュアル

学生室のカドっこのことを,思い浮かべました.
何かというと,今回読み終えた本,多くの学生に,読んでもらいたいと思ったのです.
しかしそのためには,学生が手に取れるよう,この本を本棚に置く必要があります.
そして,学生室の角っこには,自分が持ち込んだ本が多数,「横積み」になっているのです.
月末の3年生配属希望者訪問の前に,本棚まわりを整理しないといけません.


「白帯,茶帯,黒帯」の説明を,書き出します.

本書全体を通じて、武術の帯の色を使ってその項目をいつ実践しなければならないかを示すようにした。帯の色には、武術を超えて役に立つ物語がある。稽古を始めたときには、無垢を示す白帯をつける。同じように白帯の項目は、仕事に入った最初のときから実践しなければならない。
(白帯の絵)
何年か練習を重ねると、修行者の帯は汚れてくる。茶帯は、帯が汚れている中間的な段階を表している(現代の弱虫は、茶色く塗られた新しい帯を買ってしまうが)。この本では、茶帯の項目は、2年から5年たってから重要な意味を持つ。
茶帯の絵)
修行者がさらに練習を重ねると、帯はさらに色が濃くなり、最終的に黒くなる。ここまでくると、修行者は有段者になる。しかし、この本では比較的早い段階で有段者になる。黒帯の項目は5年以上たったら意味を持つようになる。実際の就職活動では、10年ほどたってようやく本当に熟達したと言えるようになる。
(黒帯の絵)
新しく有段者になった人がさらに黒帯を使い続けるとどうなるだろうか。すり切れ、日光によって色がとび、再び白くなり始める。昔の達人は、心理学者がようやく最近になって研究し始めた熟達についての真実をすでに知っていたのである。自分が知らないことは何かがわかるためには、ある境界線を越えなければならない。そしてそこから自分の学習を新たに始めるのだ。
(p.x(イントロダクション))

「帯」「ランク」を求めるのではいけない,「技能」を追い求めるのもいけない.実践し続けること,それが生きること…要約すると,こんなところでしょうか.
有段者,といえば,研究者の段位を書き出したことも,ありました.
それと,「熟達についての真実」のところで,ふと,弓が思い浮かびました.何の話だっけ,検索…
出ました.「不射之射」です.wikipedia:名人伝中島敦 名人伝汝の隣人のブログを愛せよ | LOVELOGを,読み通しました.


面白かったトピック(Tip)を帯ごとに一つずつ,挙げておきます.

  • 白帯:「複雑さを手なずける」(Tip 4, p.30)
  • 茶帯:「身体の正しい扱い方」(Tip 20, p.131)
  • 黒帯:「居場所を見つける」(Tip 33, p.222)


一点,基本路線はいいのだけれど聞き方はそれでいいのかなと思った箇所がありました.

IT担当者*1とつきあうときには、まずある一点を理解しておくことが大切だ。それは、UnixなのかWindowsなのかということだ。本棚を見れば、どちらなのかは簡単に見分けられる。
UnixGNU EmacsDNSとBIND、sendmail等々。あるいは本がなくてトマホークだけ(注意:本がない場合は、おそらくBOFH*2なので、注意した方がよい)。
WindowsWindowsサーバー管理、アクティブディレクトリ管理、SQLサーバー管理など(どれも6インチほどの厚さ)。
どちらかがわかったら、Unix関係者には次のように話しかける。
あなた:Linuxディストリビューションではどれがお好きですか。
(p.174)

Windowsの質問が続くのですが,引用はここで止めます.「どれをお使いですか」じゃないですかね.
ちなみに私がそう尋ねられたら,「半年ごとにOS刷新をしていきたいのでUbuntuを,安定稼働を求めるときにはDebianを,授業用には演習室と同じVineを仮想OSで,使用しています.どれが好きというのは特にありません」といったところ.

*1:引用者注:「プログラマ」と「IT担当者」は,別の職種である.そして「あなた」はプログラマである.

*2:引用者注:同じページに「Bastard Operator From Hell」「仕事の邪魔になるユーザーを痛い目に合わせる底意地悪いガチガチの管理者のことだとされている」とある.