「さて出発せなな…」
「ぎゃああああ」
「(ママらの)寝間で,すえの子が泣いとんな.(ドアを開けて)おはようさん,元気か?」
「ぎゃああああ」
「ああ,そら,つらいの.うつぶせからさらに,ころんってしたいんか.右腕がじゃまになって,でけへんやろ…はい,仰向けにしたで.これでええか」
「ぎゃああああ」
「なんでさっきよりも,泣き声が大きなんねん」
「…というやりとりを,2階でしたんやが」
「この子もね,一人しかおれへんかったら,淋しいんよ」
「そんなもんなんか」
「ほら,みんなと,いてたら,泣けへんでしょ」