「さて,あとの子をだっこして,2階から降りてきたんやが,うえの子はおるか…」
「おったおった.居間でテレビ見てたんか.ちょっとパパのほうを向いてくれるか」
「(座ったまま向く)」
「当面の間,パソコンのある部屋で,おえかきは,認めません!」
「さっき,部屋を見たんやが,ノートパソコンの蓋やら,開けた中やらに,筆ペンで落書きしとんねんな」
「あれは,さきの子・あとの子にはでけへんゎ」
「まあ,ティッシュを濡らして拭いたら,消えるとはいえ…」
「紙の上にお絵かきできないようでは,させるわけにはいきませんよ!」
「…」
「…」
「うわあああん〜」
「泣きおったか.まあ想定通りや.さてどないしよ.ママに来てもらうか」
「うわあああん〜」
「うわあああん〜」
「さきの子も,泣いとんか」
「うわあああん〜」
「いや,さきの子は,むっちゃ笑顔やないか.嘘泣きもええとこやな」
「パパ,どしたん」
「かくかくしかじかなんやが.うえの子のこと,フォローしたってくれるか」
「わかった」
「うわあああん〜」
「あなたねえ,どうして怒られたか,分かってる?」
「それにしても,さきの子は叱りようがないな.褒めるわけにもいかんのやが…」