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なっとくワーク 1〜3年生

小学算数なっとくワーク1年生

小学算数なっとくワーク1年生

小学算数なっとくワーク2年生

小学算数なっとくワーク2年生

小学算数なっとくワーク3年生

小学算数なっとくワーク3年生

3冊のうち「2年生」は,すでにここで抜粋しています.昨年9月15日に追加しました*1
当時は,書店でたまたま手に取った,「かけられる数×かける数」の意味を大事にしていて,a×bとb×aの違いも入っている問題集のひとつ,という程度だったのですが,その認識を変える情報を,Webで見かけました.

「私立小学校の,算数を専門とする先生方が,独自の教科書を作ろうとプロジェクトを立て,ワークブックができた」という流れです.取りまとめることの難しさを感じました.
以下,「3年生」を見ていきます.最初は,かけ算です.×0や0×から始まり,分配法則,ドットの計数,何十×1桁,何百×1桁が登場します.穴埋め式で,答えを書いていきます.
「3口のかけ算」で2種類,興味深い出題がありました.

(p.12)
1つ目は,4×5×3にも5×4×3にもなるなあと思いながら,別冊p.1の解答を見ると,「① 4 ② 5 ③ 3 ④ 60」となっていました.1通りだけ? と思いきや,同ページの右には「縦に4つのまとまりが5つ分,それが3つあるという考え方で求められます。横に5つのまとまりが4つ分,と考えて,① 5 ② 4としてもよいでしょう。」とあり,安心しました.2つ目も同様です.
もう一つの3口のかけ算は,少しページが飛びます.

(p.17)
結合法則(かけ算の順序を変えても,答えは同じ)の話です.➊では,どのステップでもミニトマトの数を求めるようにしています.➋では,先に「何人分」を求め,「1人に3こずつ」にその人数をかけるという次第です.
➋(う)だけ,予想と違っていました.

(別冊p.3)
予想は「3×(4×2)=24」でした.
交換法則があるからどちらでもいいんだ,式の計算なんだし,と見ることもできますが,本冊と別冊をざっと読んだ限りでは,3口のかけ算で,後ろのかけ算を先に計算するようなカッコを使わないようにしているのが,「4×2×3=24」と書かれている原因のように見えます.
カッコは,分配法則などの,たし算とかけ算が入った式でよく見かけます.またかけ算のほうがたし算よりも優先順位が高く,その際にカッコを書かないのは,最初のページ(p.8)で式に書かせるところから出現します.


「2年生」「3年生」を読んだ感想としては,被乗数・乗数が意味的にも構文的にも区別される「倍の乗法」と,被乗数・乗数の実質的な区別がなく逆に書いた式も認められる「積の乗法」が,そういった用語は別として,ふんだんに盛り込まれているなあといったところです.
かけ算に限定することなく,各学年をぱらぱら読んで目に留まったものを:

  • 1年生p.17, p.21:5の分解と10の分解は,カラーです.他の数の分解は白黒なので,特別扱いされているのが見て取れます.
  • 1年生p.32, p.42:合併の穴埋めで,右にとがった五角形(ホームベース型)を左側に,左にとがった五角形を右側に配置しています*2.ひきざん(求残)の最初,「とんでいった とんぼ」の五角形は,いまにも飛んでいきそうで,斜めになってます.子どもは数字も斜めに書きそうです.
  • 1年生p.56:じゃんけんで勝って進む数.チョキで勝ったら「チ,ヨ,コ,レ,ー,ト」うんうん,パーで勝ったら「パ,イ,ナ,ツ,プ,ル」うんうん,グーで勝ったら「グ,ラ,ス」え〜何それ!!*3
  • 1年生pp.84-86:繰り上がりのあるたし算は,「9+4」から始まります.矢印はありますが,さくらんぼには見立てていません.加数分解を基本とし,被加数分解との比較問題も入っています.8+6=3+5+5+1という分解のしかたも,書かれていました.
  • 2年生p.56:「l」「ml」は,斜体字です.
  • 2年生p.103:3行5列のアレイと「3×5」という式を与え,その式になるように○で囲むという出題があります.かけ算の意味と図示とを組み合わせた,面白い問題です.
  • 2年生p.114:点取りゲームを題材として,「0×0=0」「0×3=0」「0×4=0」が見られます.「0以外×0=0」のかけ算は,ありません.
  • 2年生p.130:逆思考の問題(加法逆の減法)で,「□+6=18」から,「□=18−6=12」として求めています.
  • 2年生p.131:減法逆の加法の問題で,テープ図の左に8こ,右に13こを書きますが,式は「13+8=21」を正解としています.
  • 3年生p.50:わり算は包含除先行です.
  • 3年生p.143:「ケーキを39こ買います。ケーキが1つ245円のとき,代金はぜんぶでいくらになりますか。」は,基準量が後に示された問題です.学習内容はというと,3桁×2桁のかけ算です.

*1:なぜ年月日まで分かるかというと,はてな記法でコメントを残していたからです.

*2:増加・添加に対する箱表示は,3口のたし算の中で現れます(p.74).

*3:自分の小さいころはというと,グリコ・チヨコレイト・パイナツプル,でした.