ミーティング内容のテキスト化,ごくろうさんでした.内容はこれでいいと思います.課題には,すぐ片付くものから,卒業研究の1年間をかけて実施してもらうものまであります.マルチタスクで,解決に当たってください.
ただ,文書の「形式」について,いくつか改善してほしいところがあります.作業コピーのファイルを編集し,コミットしてください.メール送付は不要です.
編集してほしい箇所の一つは,何回か出現する「Ex.」です.意味は分かるし,個人的にも,中学の数学の先生がその表記をしていたので,それなりに認知度があるのは理解しています.
ですが,Ex.は「例」というよりは「例題」という意味合いになります.そして,研究室の議事録にもゼミの発表にも,卒業論文にも学会発表の予稿にも,Ex.は使われません.
「例:」と書くようにしましょう.「Ex.既存のサービスを調査する」は,「例:既存のサービスを調査」としてください.他の「Ex.」も,同様です.体言止めのほうがいいでしょう.
なにこれ
某年月日に卒研生とミーティングをして,卒業研究の足がかりを確認しました.その際,フォーマット化された「議事録」ではなく,ラフでいいので「メモ」をテキスト化するよう指示しました.ファイルはSubversionのリポジトリを介して,その学生と,自分とで共有しています.上記に「コミット」とあるのは,そういった事情からです.
文書(Wordファイル)を読み,いくつか形式面での修正をメールで書いて送りました.「Ex.」を「例:」に置き換えよというのは,その1項目です.
もともと,その修正の各項目を並べて,ブログ記事にしようと考えていたのですが,「Ex.」に焦点を当てて文章を作ろうと思うようになったのは,ミーティングの翌日,次の本を読み通したからです.
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/04/11
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この本の中で,良い例と悪い例,あるいは単純に「例:」が多数,箱囲みで記されています.「悪い例:」の初出はp.39,「例:」から始まるものはp.57です.
そういった標題づけ(ラベリング)の意義は,よく分かります.箱囲みで何を記したいのかが明確になりますし,「あれはどこだっけ…」と思ったときでも,ぱらぱらめくるとほどなく,ほしい情報が見つかりまして,手作業の検索効率を向上する効果があります.
しかし,戸惑いもあります.というのは「:」の記号です.この記号が適切なのか,私自身,よく分かっていません.
そのように「:」を置くのは,慣用です.日本語限定,しかも数学というよりはテクニカルライティングの知恵のようなもののように見えます.
英語で文章を書こうとすると,「Example: ...」には抵抗があります.多数の例を書くのなら,「Example 1. ...」のように番号を振り,コロンではなくピリオドにします.ラベリングが目的でなければ,地の文として「For example, ...」とするのが良さそうです.文中に簡潔に例を示すのなら,「..., such as ...」または「..., e.g., ...」*2を,候補として考えたいところです.
まあ件の卒研生にとっては,どうでもいい話なのですが.
(リリース:2013-05-10 朝)