「では,出発進行!」
「…」
「…」
「何も言わんのかいな,まあええよ.今日わは,ママがおうちでいろいろしてるんで,パパがな,さきの子・あとの子よ,お前らを迎えに来たんやが…」
「もーーいーくつねーるーとー♪ おしょーがーつーー♪」
「ああ,歌を歌うんは,ええなあ」
「たこあげてー♪」
「いやいや,さきの子よ,おかしいぞ.『お正月には』が抜けてんねん」
「…」
「それからな,もうお正月からだいぶ経ってるからな,別の歌にしよう」
「…」
「….なーつーもーちーーかづーく♪ はーーちじゅーうーはーちーや♪ べんべんっと」
「ちがーう」
「ん? あとの子か.違うと言われてもやなあ…あ,もう八十八夜は過ぎてもたか」
「…」
「…」
「あっめあっめふっれふっれかーあさーんがー♪」
「ちがーう」
「今度は,さきの子か!? まあこれは,雨のときの歌やな」
「…」
「…」
「…」
「こーのゆーびぱーぱー♪」
「ほお」
「やーさしーいぱーぱー♪」
「(お,歌詞を替えおったか? まあよしとしよう)」
「うーまうまうまうまあぶぶ…」
「違う違う違う,ちがーう!!」