「んで? ガソリンと夕食,どっち先にする?」
「せやねんなあ,晩ごはん食べてからやったら,ガソリンスタンド,右折で入らんとあかんのよね…」
「まあ…ガソリン代が俺持ちやったら,ママ行きつけのとこでなくてもええんやが」
「そや! あっちのルートで帰ったらさ,ガソリンスタンドあるやん!」
「んと,あれか,100円洗車に行くとこか」
「そこそこ」
「なるほど,ほなそこで給油しよか.左折で入って左折で出られるしな」
「そうしそうし」
「よっしゃ.これで安心して,バースデーディナーを楽しめるってもんや」
「パパ,おなかすいた」
「せやな,パパもや」
「いつつくのん?」
「そんなに時間はかからんよ」
「出発前に,さきの子とあとの子が晩ごはん食べてんのん,見てたんよね」
野暮な解説:自分の誕生日の夕食のため,車で市内某所のレストランへ.妻と,うえの子(長女)が一緒です.ガソリン代のほか,夕食も俺持ちです.
「そうや,パパ,バースデープレゼントを用意しててんけど」
「あ〜,家に帰ってからでええよ」
「帰ったら言うてね」
「へいへい」
「ママのたんじょうびは?」
「さきの子ちゃん,あのねえ,ママの誕生日はもう少ししてからよ.そうやねえ,お子たちの世話から解放されて,1日,おでかけしたいな〜」
「ほお,ええんとちゃうかな」
「やった!」
「とはいえ,家族の同意がいるけどな.まずはうえの子よ,ええか?」
「うん!」
「そっか.さきの子・あとの子・すえの子の面倒,パパと一緒に,見てくれるか?」
「みるで!」
「あら!」
「言うてくれるなあ」
「ほなママ,安心して,おでかけできるゎ.どこに行こうかな…」
「どこ,いくのん?」
「それはまあ,いろいろあるからね…」
「あたしも,つれてって!」
「あ…うえの子よ,お前,何を言うてるんか分かってるんか?」
「うえの子ちゃん,妹の世話してくれるんとちゃうの!?」
「つれてってぇよぉ!!」
「泣くな泣くな.この交差点を曲がったら,じきにお店や.泣き止んでくれ!」