昨日の続きです.読んだ書籍が異なります.
- 高木佐加枝: 尋常小学算術書活用と補充 第2学年 上巻, 賢文館 (1936). http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1462874
《BA型》あるいは「基準量が後に示された問題」は,p.295(コマ番号157)にあります.*1
○ 10人の人が電車に乗つた,一人分は4錢づゝであると,全體で幾らになるか。
なお,緑表紙教科書にも《BA型》があります.「スイカ ガ ヨク 出来タ ノデ,五ケン ノ シンルイヘ,二ツ ヅツ アゲマシタ。ミンナ デ イクツ アゲタデセウ。」です.以下の文献に載っていました.
- 山澤晴子: 尋常小学算術の内容の新たな教材化の可能性, 上越数学教育研究, No.23 (2008). http://www.juen.ac.jp/math/journal/files/vol23/yamazawa08.pdf#page=8
その後はというと,「3人のこどもに,えんぴつを2本ずつあげようと思います。えんぴつがなん本いるでしょう。どんな九々をつかえばわかりますか。」は1951年の小学校学習指導要領 算数科編(試案)(V. 算数についての評価),「学校にはせいとが784人います。1カ月に1人が画用紙を25まいずつつかうとすると,この学校では1カ月に何まいの画用紙がいりますか。」は1971年のほうの『水道方式入門 整数編 新版』(水道方式入門に《BA型》)に見られます.
以下は高木の書籍に関する自分用メモです.
- 序(コマ番号6):「本書は(略)尋常小学算術第二学年上巻の指導研究書である」
- p.93(コマ番号56):7錢+12錢=12錢+7錢=19錢,(加法の)「交換の法則」
- p.97(コマ番号58):「キャラメル ガ 十ヅツ」
- p.98(コマ番号59):5と5で10,さくらんぼ(上下反対)
- p.243(コマ番号131):「×」の初出
- p.244(コマ番号132):ボタンでアレイ図
- p.260(コマ番号140):「3錢×5」
- p.289(コマ番号154):「中央の塞所に乗数」
- p.293(コマ番号156):「被乗数なる中央の数を定めて置いて」
- p.370(コマ番号195):「長い紐を真中から二つに折って又真中から二つに折ったのを測って見たら10cmあった」.除法逆の乗法
- p.376(コマ番号198):「乗法に於ける交換の法則」.アレイ図
*1:「○」から始まる4問,いずれも異なる種類となっています.最初は基準量が先に示され,乗数が2つある(式は2つ,答えも2つ)という問題です.2番目は,わり算と言いたいところですが,「20=4×○」をもとに解くことが期待されています.最後は「6枚」「4枚」に注意すると,アレイで考えてもよさそうに見えます.