「何買うんな? 缶か? ペットボトルか? あ,あと,カップってのもあるな」
「そうやね.カップのんにしよかな…このコーヒーにしてくれる? 100円やし」
「おっしゃわかった,百円玉を取り出して,と.…んあ!?」
「どしたん?」
「ここにな,『故障中』の張り紙,してんねん」
「…ほんまや」
「これ,お金,入れられへんようやな」
「なんでなん?」
「うーん,故障の理由を聞かれてもなあ.隣のはどうや?」
「できたらこっちにしたいねん.そっちのんな,一番安いのが120円やから」
「おお,そこまで見てたンか.それにしても,変な故障中やな」
「…」
「何が変って,普通な,料金投入でけへんかったら,商品表示も消しとくもんやんか」
「せやな」
「けどここ,煌々と照らされとんねんで」
「言われてみれば」
「ん? ひょっとして…ああそういうことか」
「何なん?」
「財布から千円札を取り出して,するすると…よっしゃ,入った」
「え?」
「ここの『故障中』な,硬貨を入れられへんっちゅう張り紙やねん」
「あ,そういうことか」
「ンだから,お札はOKやし,コーヒーも買えるっちゅうこと.えっと,100円のんやな」
「それそれ」
「…」
「….出てきた.ありがとね」
「釣り銭,とっとかんとな.俺は隣の隣で,冷たいペットボトルにしよかな…」
「糖分の取り過ぎはあかんで」
「あいよ」
「パパも,じいじも,この100円のんにしたらええのに」
「ああ,お父さんにこれから運転してもらうもんなあ…いやいやあかん」
「なんで?」
「1杯買うのに,千円札1枚いるんやで」
なにした
某年月日に伊勢神宮へ行ってきました.内宮はこんな感じ:
故障中の張り紙があったのは,阪和道・岸和田SA上りの1台でした.