わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

OoM総集編1

きりぬき:

一つの式に対するいくつかの解釈を,子どもたちが発表したあと,子どもたちどうしで,あるいは先生が入って議論する際に,3×4は良くないんじゃないか,「3個/回×4人」と分かってもらえないんじゃないか,という指摘が入りそうです.
その際の比較は,3×4という式の(複数の)解釈にとどまりません.「3人に4個ずつおかしを配る」という場面に対する,3×4と4×3という2つの式の間でも,なされます.「一つ分の大きさ(1つ分の数,1あたり量,基準量)×いくつ分」や,a×b=a+a+…aといった同数累加で,乗法を意味づけられているため,4×3は「4個×3人」(1あたり量を用いる場合は,「4個/人×3人」)と考えることができ,自然な立式と言えます.3×4で「場面を表した式ではない」となった解釈を“キズ”と呼ぶとするなら,4×3にはそのような“キズ”がないわけです.

子どもたちは,問題解決型の授業で,「式」から「考え方」を推定している

この問題を見て,自分はまったく別のことをイメージしました.まず,「リンゴ1個がイチゴ3個と交換できる」は,こうです.

「リンゴ6個は何個のイチゴと交換できるでしょう」は,こうです.

イチゴ3個×リンゴ6個

「45人で,講堂にイスを運んでいます.1人が1個ずつ4回運ぶと,みんなでイスは,何個運ぶことになるりますか」という場面に対し,次のように分類名と式を書きます.

  • 単位なし: 4×45=180
  • 被乗数と積に単位: 4個×45=180個
  • 被乗数はパー書き: 4個/人×45人=180個
  • すべてに単位: 4個×45人=180個

(略)
現在では,「単位なし」が算数の教科書や各種出題で採用されており,「被乗数はパー書き」は数教協のほか,その影響を受けた団体(学力研など)の指導に限られます.日常生活では,「すべてに単位」が,飲食物や日用品の数量表記でよく用いられています.

式に単位(古いもの)

「かけ算の順序」という言葉を持ち出して,現状の算数教育に批判的な人々は,キリギリスのようなものだ.威勢はいいけれど,算数・数学教育の蓄積(食料)がないから,冬になったら飢え死にするしかない.(略)
……というのは曲解です.ともあれ自分は,批判者と学習者タイプAとタイプBアメリカ式とイギリス式のディスカッション,経済学部と工学部の教授(Scientists or Engineers?),そしてアリとキリギリスの寓話を思い起こしながら,知った情報を一つ一つ蓄積し,あとで取り出せるようにしていくとします.

アリとキリギリス

「(略)の主張はよく分からないです。」「ブログには色々書かれていますが、ソースのないものばかりで、到底説得力はありません。」が,これからもブログ記事を書いていこう,コメントに誠実に対応しようという気分を阻害するメッセージとなっていることに,気づいてくれればいいのですが.

A2

あともう一つ,「1.5kg×4箱」から,×の左右をそっくり入れ替えて,「4箱×1.5kg」とすると,自然でしょうか,不自然でしょうか.
上に書いた《楽観的解法》により,総量は6kgであって6箱ではないというのは,想像できます.
ですが現実として,「4箱×1.5kg」は,まず見かけません.これは「かけ算したら(《倍》で解釈したら)6箱になるから」ではなさそうです.
もっとも有望な理由づけは,「1.5kg×4箱」だと「1.5kgが4箱」と素直に読めるのに対し,「4箱×1.5kg」について,そうはいかないことです.「4箱が1.5kg」では,数量・個数の関係が不明ですし,「4箱で1.5kg」と言ったら,4箱合わせて(6kgではなく)1.5kgであるように聞こえます.「4箱あって,それぞれ(の箱は)1.5kg」と言うと,今度は長くなります.
見直してみると,《パー書き》のところで書いた,「1箱あたり1.5kg,それが4箱」も長いのです.算術や算数,その中でも《倍》を根拠としながら,簡潔に書けて誤解も少ない,実用性に優れた数量表記が,「1.5kg×4箱」です.

1.5kg×4箱

引用に戻りまして,後半では「指導要領」という言葉が何回か出てきます.参考文献からすると,学習指導要領を指すようですが,その策定や改訂に携わることのできる人は非常に限られています.
「臨床医」と同じスケールにするなら,学校の各教師でしょう.そして,指導要領を,学習指導案に置き換えるのがよさそうです.そうすることで,「学校制度,社会環境,歴史的現実,教師陣と生徒たちという多くの要素と制約条件のもとで行われる実践的な営み」という表現と合致します.
ただし「病人」は,(単独の)児童・生徒ではなく,学級の児童たち・生徒たちに対応します.ある子どもは以前に学習したことを覚えている,別の子どもは覚えていない(もしくは間違って理解した),といった場合でも,授業を通じて話し合い学び合い,誤解を解くとともに知識を強化する,そんな学習環境をイメージしました.

数学教育は,実践的な営み

「整数 * 文字列」は「文字列 * 整数」を評価するよう,メソッドを再定義しましょう.

irb(main):005:0> class Fixnum; alias :star :*; def *(param); String === param ? param * self : star(param); end; end
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Perl,Python,Rubyで「“3”かける5」